試験
問一、二〇二二年の八月に好きと言った漫画のタイトルを答えよ。
問二、その漫画の中で特に好きだと言ったのは次のうちどれか。
A 登校一日目にして馬が合わないと言いながら喧嘩する二人のやりとり
B 一歩距離が近づいた事件の最後に発した登場人物の叫ぶ場面
C 秋の暮れ、落ち葉が降る場面ですれ違う二人の心情
D ある寒い冬の日、最後だと言って自転車を二人乗りする場面
傾向と、対策。
割とベタな展開の話が好き。
泣けると話題の映画でボロボロと泣いて暫く映画館を出られなかった事がある。
駅のコンコースで盛大に言い合っているカップルを見かけた時、わ、と驚いて気の毒そうな顔をしていた。
ちょっと子どもっぽいな、と笑うと拗ねる。
泣きながら映画の感想を延々としゃべるのを黙って聞いて、余ったチュロスを渡してみると遠慮なくぱくついておいしいと笑った。
仲直り出来ると良いなあ、と呟いたのでそうだね、と言えばどこかほっとした顔をした。
「そんな君が好き」
傾向も対策もなしに無謀でしょうか。
僕のこころのうちにある、転がすための鉛筆には結局ひとつの言葉しか書いていなかったのです。
なのでここはひとつ、鉛筆の本来の使い方をしてやろうなんて勇んでみたのですが、僕のヤワすぎる芯ではあなたの心に何も刻めそうにないので、結果、こうなりました。
「そんな君が好き」
唇が動いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます