第3話 兵糧攻め

ゴールデンウィーク三日目ついに、母が課題の進捗を確認するためか俺の部屋に来た。

「ドンドン」

当然のように部屋のドアは開かない。

「拓人開けなさい。」

母は大きな声で開門を要求する。

当然俺は適当に返事を返す。なぜなら宿題をするのは明日の昼からと決めているからだ。

「明日やるからー。」

すると母は、

「いいから開けなさい!」

少し強めに注意されたが、俺は両耳にイヤホンをつけて無視する選択をとった。だからそこから先は何を言われたかはわからないが、母の怒号が響いていたことだけはわかっている。

「ぐぅぅぅ」

俺は自分が空腹であることに気づいた。

「あぁ昼ご飯食べるかー」

俺はドアノブに手をかけた。だがそれと同時にドアを開けれないことに気づいた。そして籠城三日目にしてようやく食料がないことに気づいた。今部屋を出れば恐らく昼ご飯はできているだろう。だがドアを開ければ母もいる。つまり深夜までは食事を我慢する必要がある。

しかし俺は朝食を抜いていたためとてもお腹が空いている。どうすべきか色々考える。その結果一つのアンサーに辿り着いた。それは友達に食事を届けてもらうことだ。これなら俺が部屋を出る必要はないし、万が一母が部屋に来てもゲームをとられることはない。俺は発案と同時に友達に事情を説明すると即快諾してくれた。

そしてコンビニ弁当を俺のところに届けてくれた。もちろん送料込みのお金を払った。そして友達と何時間もゲームに熱中し、友達が家の門限になる頃帰宅した。

そしてその日の夜、家にあったパンなどを自室に確保することで兵糧問題を解決した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る