ひとりうたあつめ

かくれんぼ

　「誰が悪い」って鬼決めて

　一目散に逃げ出してく

　貧乏くじを引きに行くような

　タイプじゃないと思ってたんだけどな

　「もういいかい」

　「まーだだよ」

　ねえ本当？もう良いんじゃない？

　必要以上に置かれた距離が

　また一人心をちょっと削るんだ

　隠れたいのは、隠したいのは

　ばかばかしいほど臆病な「自分」

　かくれんぼしましょ

　見つけるまで諦めないよ？

　君の「本当」、僕の「嘘」も

　洗いざらい月光に翳（かざ）して

　見つけさせてよ

　少しだけ見えた手がかりと

　僕の気持ち、君の表情

　綯（な）い交ぜにして朝日に溶かすの

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　「君が悪い」って鬼にして

　脱兎のごとく逃げ出すんだ

　そんなの間違っているって

　どこかで解ってたんだけどな

　「もういいかい」

　「もういいよ」

　ねえ本当？まだなんじゃない？

　近づきすぎた距離感が

　また庇いきれない疵（きず）をつくるんだ

　見つけたいのは、見つけてほしいのは

　狂おしいほどに穏やかな日々

　かくれんぼしましょ

　見つかるまで諦めないでよ？

　「僕」の弱音、「君」の強がり

　切ない夕焼けを染め上げて

　探し当ててよ

　消えてしまいそうな足掛かりと

　「君」の正解、「僕」の誤解

　星が囁いてかき消すの

　じゃんけんぽんで、あいこでしょ

　偶然決まった配役を

　必然で終わらせるのなら

　もう少しだけ彷徨う時間をちょうだい

　かくれんぼしましょ

　見つかっても君の勝ちだ

　探し続けるよ

　有耶無耶な彩（いろ）の境目の中で

　二人が紡ぎ出す「答え」

　きら、と光っていられるように

　「もういいかい」

　まーだだよ

　「もういいかい」

　もういちど

　「もういいかい」

　もういいね

　みーつけた。