理由:一話
「僕の名前はニルヴァナです」
「ニルヴァナ....どういう意味?」
「それは...」
自分にも意味が分からないし、いつそんな事を覚えたんだ....
いや、お父さん達に神の事を話した時か?
「.....。」
考えてみたら....そんな事無かったような
「思い出せません」
「そっかぁ....」
「まぁ、いっか」
そういえば、この人?は誰なんだろう....
それにどういう仕組みで球体から声が出てるんだ?
「一応、貴方?の名前を知っておきたいんですけど」
機械なのかな
「あれ?私の名前言って無かったっけ?」
「はい」
「私の名前は太郎、大昔に封印された魔女の意思と力だよ」
太郎....人間の名前、空飛ぶ球体が
それに日本人の名前
「なんで太郎って名前なんですか?」
「私も昔は人間の形だったんだけどね」
「でもね、色々あって自分でこの球体の姿になったんだよ」
「でも、この姿になってから旧友に会いに行ったら『お前は昔から意味不明な奴だったけど、ただの玉になるなんて、理解出来ないわ』って....酷くない?古代の処刑方法で人の意思を物に移す事があったのは知ってたけど、有象無象の大罪人が言えた事かよ....」
なんか話し方が怖いな....
「そんな事があったから私は太郎を名乗ってるんだよ」
今の話の中に名前の理由無かったよ、怖いよ....
だがそれより
「その、有象無象の大犯罪者ってどういう意味なんですか?」
この世界には大犯罪者に区別される人が有象無象と言える程いるのか?
「あいつは....悪い奴じゃないんだけど、私怨と言うか、ただの恨み」
「この世界じゃ有象無象、ありふれた理由で国を滅ぼした奴だよ」
急に冷静
「まぁ、今はそんなに気にする事じゃないよ」
「そうですか....」
人の事を恨むのはまだ分かるが、国を滅ぼした....
そんな事を考えていると
誰かに見られているような気がした
「ここって何か居るんですか?」
「ん?分かるの?」
「いや、少し気になっただけです」
「うん、良いね」
???
「君は私の事が見えるし、私と喋ることも出来る、これはどちらも特別な事」
「きっと私達は似たもの同士で、ここで君と出会った事も特別な事」
「それと君がここに来る前にお堅い骸骨と話した事これも特別」
「はい....」
お堅い...ギャグかな?
「それより今は私の事が見えて、私と喋る事が出来る君が最初、私の事を無視していた事この理由が気になる」
「はぁ....」
「別に気にするべきじゃないと思うけど、もし、嘘をつかずに答えたなら私から少しのギフトを与えようと思う」
そのギフトの為に無理矢理話を作っている気がする....
「さぁ答えなよ、理由を」
「あの、その前に一つ質問いいですか?」
「いいよ」
「ギフトってなんですか」
「.....。」
「先に言う必要ある?」
「いいえ」
「.......。」
数分後
「さぁ、早く答えてくれよ」
「私結構待ってるよ?」
僕が黙って....無視をしていた理由としては
うざいのが四割、理解が追いつかなかったのが六割
「えっとまず、目を開けると黒い球体が浮かんでいて、自分に話しかけてくると意味不明で怖いですよね」
「そうだな」
「それにあの骸骨の話では僕は異世界に行く事になっていた」
「お堅い骸骨な」
「つまり」
「つまり?」
「無視では無く、理解不能だったという事です」
空飛ぶ骸骨が話した事は真実で、ここに来た理由は思い出せないけど、僕はここに居る事は嘘でもないし、僕の運命だった
そんな運命の中出会った太郎さんも特別な縁があると思いたい
「うん、理解した」
「私は君との特別な運命と真実を信じ、私はギフトとして君の進化を促す事にした」
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