夢日記1026 夢の中でも日本シリーズ

友人Sが突如、家に現れた。

赤ちゃんを連れてきている。

家には両親がともにいるようだった。


「このたび、子どもが誕生しまして」


とSが口を開くと、

「あら、おめでとうございます」

と父が応じてきた。


「とんでもない。そちらはご両親とも非常に力を入れたとお伺いしておりました。何か海外の教育法を使って育てたと……」

「いやいや、そんなたいそうな話じゃあないですよ。いわゆる、ペルー式教育というやつですな」


ペルー?

モンテソリとかシュタイナーなら聞いたことあるけど、そんな南米文化あふれる教育の話を親から聞いたことは一度もなかった。


「ははあ、ペルー式となると、かつてはトルコ式が主流であったと思いますが、その時代から後発型の教育を取り入れていたとは素晴らしい、先見の明があったのですね」


Sは世界史に詳しい。

俺の聞いたことない教育法に、さらに聞いたことのない教育法をレシーブしてきた。

それを聞いた父親はたいそう喜んで、「素晴らしい。ちょうど、スライドがあるので、ご紹介させて頂きたい」と、Sとともに視聴覚室らしき部屋へ引っ込んだ。うちにそんな部屋ないぞ?本当に俺の家か??


そう思いつつ、スマホでスポナビを開く。三回裏でホークスがベイスターズに9対2と大勝していた。これ勝てへんな。そう思ってスマホを閉じて、ふと地べたに目をやると、母親が何かの本を読んでいた。

て、俺の日記じゃないか。


「ちょっと!それ読まんといて!返してや!」

「ごめん、面白かって3月くらいまで読んじゃった……」


あの日記には、俺の好きな人のこととか、親に対する怨嗟とか、センシティブなことがたくさん書かれてあるのだ。それを勝手に読むとは。怒りがこみあげてきた。


「ちょっと!顔赤いよ?熱あるんじゃない?」

「いやさぁ、そういうことじゃなくてな?」

「なんかSくんの赤ちゃん、風邪みたいよ?」

「は?」

「たぶん、ここみんなうつると思うから」

「は?????」


あー、みんなしんどいわ。

俺は頭を抱えた。


「それよりあんた、そんなことしてる場合とちゃうで」

「なんやねん、落ち込ませろや」

「この前に行ってきたレポート、提出せなあかんのちゃう?」

「レポート?何のレポート???」

「植物園」

「あーっ、だっるいわぁ」


都の条例で、植物園に行った時は無料になるが、そのためにはレポートの提出が必須となったのだった。期限を守らないと催促が来るらしい。

俺はウツボカズラに関する考察、と書いたレポート用紙を雑にビリビリと破いた。


ってところで目が覚めた。

スポナビを見るとスコアは2-0だ。

やっぱりソフトバンクが勝っていた。

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