夢日記0705 コネクトを上手に歌おう
友人Tとカラオケに行った。
Tはまどマギが好きなのでコネクトを熱唱していた。
すると前行った時より歌唱力がものすごく上がっていた。
特にサビの部分。
男なのに、ここだけはまるでクラリスが憑依しているような声の伸びだった。
「すごいな。上手なったなぁ!背後にクラリス見えたで」
「いやいや、全然下手やで。ぼく男やし」
「そんな謙遜すんなって!特訓したんやろ?」
「……まぁカラオケ久しぶりやしな、このためにひっそりボイトレ積んでてん」
「めっちゃストイックやん!それだけ合わせにきてくれてるん嬉しいわ。なぁサビの部分!サビのとこすごい良かったし、もっかいやってや今」
「今?」
「今かぁ……ボイトレ形式でいい?」
「ボイトレ形式?サビ歌うだけやろ?なんか違うのん?」
俺がそういうとTは「ちゃうねんなぁ」とボソボソ言いながら、小刻みに「あ」「ア」「め」とか発声練習みたいなことを始めた。
なんか本格的やな。
そう思ってるとTは「ふぅー」とゆっくり息を吐ききってから一気に「すぅっ!」と息を吸い込む。
準備が整ったみたいだ。
「ティー●のち●ぽ気持ち良すぎだろちんぽ気持ち良すぎだろティー●のち●ぽ気持ち良すぎだろ気持ち良すぎだろォ〜〜〜〜〜↑」
「……サビはこんな感じなんやけど」
「え、なになになになに?」
Tがなんか気持ちよさそうに歌いきった感ある顔をしてるので思わずツッコむ。
「●ィーダやん」
「ボイトレはいつもこんな感じでやってて」
「本家の歌詞で練習せえや!」
「『ティー●の』の部分あるやん、あそこの出だしは最初上手く入っていけへんかってんけど『ちー●ぽ』に繋がるって考えたらすごく気持ちよく『気持ち良すぎだろ』に入れてん」
「MADの歌詞で解説すな!なんか卑猥に聞こえるやろ」
Tはマンキンでツッコむ俺を見て、なぜか不思議そうな顔をしている。
「今の感じでやったら上手くなるし、むすかさんも歌ってみてや」
「ホンマに言うてんの?」
「ぼくもうまなったし、むすかさんもいけるって」
コホン、と咳払い。
サビから入ることにする。
「ティー●の……なになに!?なに!これ??」
MADの歌詞に乗せて歌ったコネクトが、クラリスの歌声になって俺の喉から発せられた。
なのに我に帰ってツッコむ俺の声はいつもの俺の声だ。
それを聴いたTは狼狽える俺とは対照的に穏やかな笑みを讃えている。
「ほら言ったやん。発声の問題やねんって」
「発声ってレベルちゃうと思うんやけど」
「でもこれでクラリスさながらにコネクト歌えるようになるで」
「確かにな……。『ティー●のち●ぽ気持ち良すぎだろちんぽ気持ち良すぎだろティー●のち●ぽ気持ち良すぎだろ気持ち良すぎだろォ〜〜〜〜〜↑』うわっ、マジで背後にクラリスおるわ」
「やろ?よし、じゃあ今度は二人でコネクト歌ってみようや」
「Aメロとかあんま自信ないけど大丈夫かな?」
「大丈夫大丈夫、最初サビからやから」
「マ?そういやそやな、じゃ行くか」
再びコネクトを入れてみる。
曲がセットされる。
大きく深呼吸。
「ティー●のち●ぽ気持ち良すぎだろちんぽ気持ち良すぎだろティー●のち●ぽ気持ち良すぎだろ気持ち良すぎだろォ〜〜〜〜〜↑!!?!?!?!!???」
歌声は、確かに2人してクラリスそのものだった。が。
「おい!2人してティー●になってるやん!」
「え? あれ?? ボイトレしすぎたかな?」
いや、ボイトレとかそういう問題ではない気がするんだが。なんて言うか、交わした約束を忘れないようにしたはずがティー●のち●ぽによって打ち負かされたような……。
戸惑ってる間にAメロが流れる。
「いつになったらなくした未来を……」
普通に歌える。
「止めどなく刻まれた……」
Bメロも、普通に歌える。
「閉ざされた心扉開けよう〜」
さあ、サビだ。
「「ティー●のち●ぽ気持ち良すぎだろちんぽ気持ち良すぎだろティー●のち●ぽ気持ち良すぎだろ気持ち良すぎだろォ〜〜〜〜〜↑ ティー●のち●ぽ気持ち良すぎだろちんぽ気持ち良すぎだろ〜〜〜ち↓●↑ぽ↓ 〜〜〜〜〜ぉいおいおいおい!!!」」
「やってしまった……」
「どういうことだこれ???」
「僕ら、ボイトレ極めたせいで、ティ●ち●でしか歌えなくなるデバフかかったわ……」
「いや俺そんなやってへんやん、どうすんねんこれ!」
俺が声を荒げると、Tは困ったような顔をして、こう言った。
「僕らティ●ち●でポストクラリス目指そっか」
「いやせんわ」
そして俺らはコネクトが歌えなくなった。
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