🔮小話1・ラフレシア・ 妍子・イザベルの戦い(後編)
ラフレシア・
フアナも彼女なりに精一杯がんばって、親戚のポルトガル王・アフォンソ五世と結婚し、なんとか彼に助けてもらおうとしたが、そこはもちろん抜かりなく、ラフレシア・
「フアナどうするよっ!? だれがこの国で一番偉いか、も一回わたしの目を見て、ビシッと言ってみな!? 返答しだいでは、ボコボコのボッコボコにするからなっ! なんなら異端審問にかけてもいいんだぜっ!?」
ラフレシア・
「~~~~一番偉いのはイザベルさまです。ごめんなさぃ……」
「聞こえない! もう一回っ!」
臣下たちは、「これは、迫力が違う……」「フアナさまでは、太刀打ちできんな……」そうささやいていた。圧勝である。そうしてフアナは、すぐさま修道院に叩き込まれていた。
「ううぅ……わたしが、わたしが、女王だったのに……」フアナは、ずっと修道院で、わたしが女王、わたしが女王と、あちらこちらに書き殴っていたという……。
そんなこんなで、ラフレシア・
なお、結婚前に、「あの、お相手には、もう愛人や庶子がいるとか、いないとか……」なんて話を聞いていたが、ラフレシア・
「そんなの関係ね――よ! 無印は問題なし! それよりも、てっぺんとらなきゃな! 実力と家柄に文句なし! なら問題なし!」
「はぁ……」
ラフレシア・
「ふはっ! ふははっ! てっぺん! わたしが頂点! すへてが、わたしのために存在する。これが父君の見ていた世界! 素晴らしい! 超楽しい! レコンキスタ! ゆけっ! コロンブス! 頑張れ夫! 援護は任せろ!」
城下には、超高価な真珠のネックレスを、首になん重もぐるぐる巻いて、宝石があしらわれた金のでっかい飾りボタンをなん個もつけた、ド派手なギラギラのドレスの、美貌のラフレシア・
「妻のイザベル一世ってさ、女関係にもうるさいこと言わないし、元気なのはいいけれど、あの変な笑い声がうるさいんだよな……いつかどこかで聞いたような……気のせいかな……」
ラフレシアの盛大な応援を受けて、
ときは1474年、まあとにかく、スペイン黄金時代の幕開けであった。
「ふはっ! ふははっ!」
【了】
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