🔮小話2 硯島(すずりじま)の戦い!&後書き

※🔮は紫式部むらさきしきぶです。


***


 硯島すずりじま……現在の関門海峡あたりにあるその島は、古い言い伝えによると、その島に眠る『黄金の筆』を手に入れた者は、世の中で一番の大作家、なにを書いても大ヒット、和歌すらもの詠み人になれる……そんな伝説のある島だった。


 遠い平安の時代において、その黄金の筆を巡り、世の文系のツワモノたちが集い、戦いの火蓋は切られようとしていた。


🔮「みんな……待たせちゃった? もう揃ってる? 途中で襲撃されちゃって……大作家はつらい……」古びた小舟でやってきた紫式部むらさきしきぶ。漕ぎ手は小式部内侍こしきぶのないし&賢子かたこ

「よいしょ! よいしょ!」「賢子かたこちゃん、やっとついたわね!」


清少納言「自分で大作家とか言うなっ……早く墨を擦れば? あと、赤染衛門あかぞめえもんがまだきてないのよ。審判の定子さま、左大臣、実資さねすけさまは、もうきているのに……」


🔮「あ、大丈夫大丈夫。赤いのはで墨を擦れるからね……」


紀貫之「まじで……?」


和泉式部「見たらびっくりするよ」保昌やすまさの漕ぐ舟でバカンスがてら、早くからのんびりきていた。


🔮「そうなんだ……あれは凄いよ……あ、きたきた……舟まで、まっかっか……」


行成ゆきなり「メロスの嫁は相変わらず目立つな……メロスが舟を漕いでるのか……どうりでギリギリ……」


 参加者すべてが甲乙つけがたい素晴らしい筆の跡で、これまた素晴らしい和歌を詠み、短いながらも深い物語をつづり戦いは混線したが、紫式部むらさきしきぶことゆかりが、最後の最後には、審判の定子さまたちまで気絶させて勝ち残り? 黄金の筆を手に入れていた。


『ごんっ! ごんっ! ごごごごんっっ!』


🔮「手にした者が勝者だ……わたしが勝ちだ……小式部内侍こしきぶのないし賢子かたこ、早く筆を持って家に帰ろう……」


賢子「母君……」


🔮「加減しているから大丈夫……」


紫式部が亡きあと黄金の筆は、賢子かたこが受け継いだらしい……。


 なお、伊勢大輔いせのたいふは旅の途中で何度も寝坊してしまい、最後は走って一生懸命に港へ駆けつけやってきたのだが、丸一日ほど間にあわなかった……。


 そして小式部内侍こしきぶのないしは帰る前に、気絶して倒れている母へ塩水をかけようとして、保昌やすまさに止められていた。


伊勢大輔いせのたいふ「一回! 一回でいいから貸してっ!」


🔮「ええ……どうしようかな……」


 硯島すずりじまは、のちに巌流島と呼ばれるようになったらしい……。


【了】


 ──∞──∞──∞──∞──


 二ヶ月と少し、長くて短いお付きあい、お読みいただきありがとうございます。皆様のおかげで、無事に完結することができました。


 そして、ここまでのお運び、誠にありがとうございます!🍃🔮


 はじまりはと言えば、自分需要で少しだけ書こうかなと、ほんのニ~三話ほどだけフィクション・紫式部のお話を書くつもりが、気がつけば……えっと、トータル八十〇話+小話二話(三階建て)に……かなりいつもとは違う主人公なので、どうなることかと思いつつ、ひたすら書いておりました。

 正直に打ち明けてしまえば、詳しく書けば書くほどバカさまが真っ黒なので、このような結末に至りました。


 一度、ロングバージョンのさわりを、少し書いていたのですが、「うわぁキツい、キツすぎる……」そんな感じで変更に。


 そのような訳で、ラフレシア・ 妍子きよこは、「ふはっ! ふははっ!」は、少し早めの入内で登場、ギラギラしたままの引退の運びになっておりました。

 それでは、これにて、ひとまず物語の緞帳を降ろさせて頂きます。


 いつものわたしにしては、今回は珍しく、割合にせっせと書きためては、加筆修正をしておりまして、「あ、やはり、ある程度の書きためをした方が、修正に間にあってよいことが……」なんて、今更、思った次第でございました。(例:ガラスの靴を、ガラスの草履に変えたりしておりました。ガラスの草履は、ガチャガチャうるさそうです……)


 最後までご拝読いただき、本当にありがとうございました🔮✨


 2024年11月16日


・本日のラッキーカラーは、瑠璃色

・運勢は、お羊座が一番だそうです🐑(わたしは6位でした)


 ──∞──∞──∞──∞──


 せっかくなので、もう何回か見直して、細かい描写など書き足したり、誤字脱字チェックをもう一回してから、🔮をカクヨムコンへ出してみようと思います。


🔮second season…………需要ありそうでしたら……コメント下さい🐟

迷い中です。


あと、! お手数ではございますが、フォロー、お星さま⭐、レビュー、コメントなど頂けると、嬉しいです。よろしくお願い致します(〃ω〃)🐟🍃


 ──∞──∞──∞──∞──


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