🔮パープル式部一代記・第七十六話
「
「凄いな……イワシ柄の
後日、
しばらく「
「
史実と同じように成人した
「こんなしょうもない恋文……紙がもったいない……真っ白なまま、
「母君……」
どっさり届く
***
そして、『権・紫式部卿』、根暗の紫式部は相変わらずいつも乱れた生活習慣を送りながら物語を書き続け、バカさまはバカさまで相変わらず暗黒闘争を続け、少し手こずりはしたが、彼は、おのれの野望を成し遂げようと抱える
***
寛弘五年(1008年)中宮・
同八年(1011年)定子の産んだ
寛弘八年(1011年)、一条天皇は病に倒れ、道長やメロスたちの企みに飲み込まれ、ついに出家。太上天皇となるも、数日後に崩御。皇后・定子を土葬にて弔ったと聞いていた太上天皇は、同じく土葬を望んでいたがうっかりしていた道長により火葬されてしまう。
「哀しみのあまり、つい忘れてた……哀しすぎて……うぅ……」
道長は袖で顔を覆いながらそんなことを言っていたが、周囲は平たい目で道長を見ていた。
そして、譲位された皇太子
以後、道長と帝の関係は悪化の一途をたどるが、その最中、ラフレシア・
なお、この皇女誕生の知らせに、いつもラフレシアからいじられていた姉の
長和三年、三条天皇は重い眼病を患い、ここぞとばかりに道長が譲位の圧をかけはじめる。同四年、内裏焼失によりついに三条天皇は最後の嫌がらせか、元無印、黒い流れ星、
しかし、皇太子となった黒い流れ星、
あれほど暴れまわっていた黒い流れ星も、外孫、後一条天皇の摂政となり、出力を上げて、ほぼフルスロットル状態に近づいていた黒い太陽には、最早、敵にもならなかったのである。
なお流れ星は、内裏焼失のときに母の
とにかくこれで、いままでふたつの系統、冷泉天皇系と円融天皇系で、交互に継いでいた帝の血統の慣習は潰える。
長和五年(1016年)八歳で、後一条天皇となった
後一条天皇には、
そう、遂に道長は自分の三人の娘、長女の
そして大宴会のあと、遂に道長は、後の世に
「この世をば我が世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば! はははっ! やってやったぜ! 見たかっ! この俺の天下取りを! 半端やろうの大馬鹿やろうが……」
そう……紫式部は、ひたすら源氏物語を書き続けていた根暗のゆかりは、
紫式部日記は、紫式部が書いたであろう……そんな思いで彼女の信者・
道長は、自分が建てた法成寺の無量寿院の下に火葬にしたゆかりの亡骸を、密かに持ち出して埋めていた。
そう……彼は、無量寿院の床に向かって、ひとり言を言っていたのである。
それからときは流れゆき、満身創痍の道長は、万寿四年(1028年)、法成寺の無量寿院に転がって延々と続く読経を耳にしながら、「まあ、浄土なんて無理筋だろうが、ゆかりも地獄で待っているだろうし退屈はしね――な……ノド渇いた……」なんで思いつつ、「一応、なむなむ……」なんて言いながら、すべての
享年六十二歳。
道長の人生も終焉を迎えた……が、しかし、だがしかし、話はまだ続くのである……。
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