🔮パープル式部一代記・第七十三話
そんなこんなで、また、忘れ去られていた帝であったが、実は、小野宮流地獄のお説教タイムのあの日、『なんの騒ぎ?』と寝殿の奥で様子を密かに探っていた。
帝は、黒塗りの
「なんと健気な……朕があの年頃に母の心配なんてしたことも……それに、才はともかくあの珍妙な母を持ち、苦労ばかりであろうに……」
なんて言いつつ袖を涙で濡らし、「次の除目で
結果、
「
などと、
「あ、たまに名前を書くくらいでいいよ! あとは、左大臣に任せて置けばいいから!」
「はあ……」
などと話は進み、道長はなに気に面倒が……とは思ったが、まあ、
「
そう言うと、和泉式部にも声をかける。
「ちょっと、ほとぼり冷ましてこい」
そんな訳で、ふたりは慌ただしく丹後へと旅立つことになり、
『お元気ですか?
そんな知らせを
「えっ!?
「このご時世(火事騒動)だけど帝の命だから特例でするんだって! 道長が特急で用意するってさ!」
「
「それよかあのさ、実は……
「ええっ!? それ、先に言えよ!」
なんて、ちょっとしたどころではない騒ぎに紛れ、結局、
その上、
「母君、気合入り過ぎていませんか?」
「中宮さま、これは、わたくしの面目! 摂関家の面目!
「そうなんですね……じゃ、わたくしはせっかくなので装束をひと揃い……」
「あっ! それなら、わたくしが用意いたしますのでっ! 中宮さまをわずらわせてはなりません!(意訳:センス0だから口出すな)」
「はあ……」
大騒ぎだった。
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