🔮パープル式部一代記・第七十一話
案の定、
「あ、あの……母が、最近体調を崩しており、
「
ぽろりと涙をこぼす
「道長め! 左大臣という大きな役職でありながら、おのれの大切な家臣である……まあ、かなり変わっているが、いや、それでも、おのれの名声を大いに高めるのに役立てている、しかも子を抱えて必死に働いてきた未亡人の命を救う代金すら支払わぬとはっ! それが
結果、紫式部の居らぬ間に翌日、今現在は里内裏となっている
「孔子対曰、君君、臣臣、父父、子子! 臣下は君主を君主として仕え、君主は臣下を臣下として扱い、子は父を父として仕え、父は子を子として扱うのが政治の肝要ぞ! これは言わずもがなこの場にいる者が知っているはずの言葉ではあるが最近の公卿ときたら……それと言うのも、そもそも一事が万事、上に立つ左大臣の日頃のうんぬんかんぬん……うわさによると主人のせいで業を背負った貧しい使用人から治療費を取り立てるような浅ましき、グチグチグチグチ……紫式部がそもそも生霊に……左大臣ともあろうものが……くどくどくどくど……それにつけても……聞けばそもそも、もひとつくどくど……」
「これは長引くぞ……久しぶりの
「はじまったよ小野宮流地獄のお説教タイム……もう、誰にも止められないね……」
「紫式部がどうしたって? 安くこきつかってたの? え? その上、完璧美少女、あの
そんな感じで、道長は延々と真正面から説教をされて、周囲の公卿たちがひそひそしながら投げる興味津々といった視線が突き刺さる中、かなり立ってからようやくなんとか
「いや、その、ざ、
「そう、それはそうでしょうな! 天下の左大臣が、まさか引退した陰陽師への細やかな支払いすら困窮しているなどと
「まだ続くぞ……おい、膝が痛くなってきた……あとのガチ蹴鞠にひびく……今日こそ本気出そうと思ってんのにさ……」
「俺も……早く蹴鞠しようよ……誰でもいいから……このままじゃ日が暮れるぞ。早く道長なんとかしろよ……」
そんな風に、おおやけの場で話が広がりゆき不満が立ちこめる中、「この頑固親父が変な口挟みやがって! ただの遊びじゃねーか! ネタばれ楽しみにからかってただけなのにっ!」なんて道長は思いながら、少し離れたところでその日は随分前に、「あとで本気の蹴鞠しよう!」なんて
「あ、すぐに
「え!? は、はい!」
いきなりの命にあせったメロスは、今度は
「
「…………」
「
メロス、今度はちゃんと間にあったのだが、安心した
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