🔮パープル式部一代記・第七十〇話
いままで苦労してきてようやく自分も独り立ち(実は、五位・上の身分の兼任公務員)したので少しは楽にと思っていた母が、
「取りあえず帰らなきゃだから! 取り急ぎ報告!」
なんて言い残してまた必死で走ってゆく
なんとなくではあるが、とてもいま出せる支払いではなさそうである。
「と、とにかく落ち着いて考えなきゃ……一体どのくらいの……」
「あ、
そんな風に大納言の君に呼び止められていたのは。
「えっ、あっ、これは失礼いたしました。なにかご用にございますか?」
「おおっ! ちょうどよかった! いま集まったところでな……
「まあまあ、このように大勢の前で、こっそりなどと……」
そんな風に、おもしろそうに大納言の君に言われて余裕のある笑い声を立てているのは、あの『さねすけVSさんれんせい ふじつぼのたたかい!』の堅物の『さねすけ』で、堅苦しいほど真面目で地位も名誉もあるど金持ち、
藤壺の悪目立ち
忙しい政務の合間を縫ってわざわざいつもは顔を出さない子供相手の「蹴鞠の会」へ顔を出したのも、そもそも「蹴鞠会の帝王」そんな字名がつくほど彼が大の蹴鞠好きというのもあったが、「
連れてきた従者に目をやって早速渡そうとしている
「まあまあ、そんな! 我が家の
「そんな気を遣わずとも……」
いつもは儀礼にうるさい
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます