🔮パープル式部一代記・第四十八話
中宮・
「洲浜づくりと貝合わせはよいとして……なんなのこの“ふじつぼのたたかい”と言うのは……こんな内輪ネタが受けますか!」
見本の内容としては下記の手順であった。
***
・帝ご一行と中宮さまの顔あわせのご挨拶
・ご歓談ののちに、藤壺の
・なごやかにご一家と中宮さまで『洲浜づくり(ジオラマ遊び)』『豪華賞品がもらえるかも? 藤壺の中宮さま主催、貝合わせ大会』ご体験
・早咲きの藤の花をひと房ご用意して、内親王さまには「珍しき菓子詰めあわせ」を贈呈。親王さまにも「豪華おもちゃセット」贈呈
・流れでお開き
***
そして、
「え? なんですの? この絵巻物語とは?」
「当日届けます……我が家の宝、あなたの御祖父君にあたる
「ええ――“さねすけVSさんれんせい”の方が……いえ、まあ、母君がそこまでおっしゃるならば、いいですけど……」
女院さまほどではないものの、母、
「よいですか親王さまは、まだ二歳、取りあえず菓子でも玩具でも与えて、乳母に任せておけばよろしい」
「はあ……」
ずいぶんぞんざいなだと
「いがくり……いえ、
「どうかしました……? 四歳とか……たしか
「そんなの比べてはなりませんっ!
「え……?」
静かにしていえば、「根暗根暗」ちょっと活発だとこの騒ぎ……きっと、元気の有り余っている子どもなんだろうと、
などと、頭の中は海賊版で、ほぼ、一杯一杯になっていたので母の言うことには、てきとうな返事をしていた。
「まあ、
「一体なんなんだ……」
「栗……は、聞きとれました。もしや藤の
「栗……無理だぞ……この春先に……」
「どうしましょうかねぇ……」
「取りあえずコレ(
そう、藤壺はあまりにも
それから数刻後、
「さっき藤壺に行ったヤツ、まさか
「最近、左大臣が
「あれはびっくりするから、
「青菜を忘れてるじゃん……」
***
翌朝早朝、絵巻物語は無事に藤壺へ道長が届け、ついでに
なお、
それでも
「なにそれ!? なにそれ!? そのゆれてるのなに!?」
いがぐりである。
彼女は目ざとく
『母君の危機!!』
そんなことを思った
そんな
「これ
「あ、え、だって……はっ、はじめっは、は、は……はじめましてっ! なっっ! ながこにございま――す! あはははっ! ながこと、あ、あつやすにございま――す! あ――おなかいたい! きゃははっ!」
「…………」
これは出だしから大失敗した……一条天皇は痛恨の極み……そんな表情で転げまわって笑う
早咲きの藤の花弁が、どうしたものか、ふいと
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます