🔮パープル式部一代記・第四十二話
帝は怒り心頭で清涼殿の中で、ぐっとこぶしを握っていた。
「なんてことをしてくれた……
そして、帝からの使者にして、状況をまったく訳のわかっていない
また、そのときの道長といえば、大けがのふりをして御几帳台(天蓋付きベッド)に寝転がったまま、自分には大甘の姉に借りた、「さかさものがたりpart2、part3」を、「part1を知らないから少し厳しい……part1は、
そして、「もう、なんなの!? 今日は、なにひとつ仕事が進まないんだけど!? これで最後だって! って道長はその怪我はどうしたのかいい加減教えて!? 今度、落ち着いてからでもいいからさ……まあ、お大事にね……」そう言いながら
「計算通り……なにせゆかりがくれた証拠(例の石の枕で気絶させられた犯人)は、こちらで確保している。今度こそさよならだ
そんなこんなで
なぜならば、彼が素知らぬ顔でこっそり人目を避けて
これが、
「はあ……なんとそんな呪い……やってみたことありませんが、まあ大丈夫です! わたくし希代の陰陽師ですから! 」
そして、道長の要望を聞いた
***
呪詛かとも思われたが、彼にも馬にでさえその痕跡はなく、人々は仏罰すらウワサする。が、なんのことない。道長は、「アブ」を
その後、彼が住んでいたやかたからは、人影がぽつぽつと消えてゆき、やがて最後には廃屋のようになったとか……こうして彼は、史実より早々に政界から姿を消し、その後、自身では身動きひとつできぬ生き地獄……そんなときを過ごしてから、寛弘7年(1010年)にひっそりと亡くなる。
少し遠い話ではあるが、その頃には彼のことを覚えている者は、ほぼ、いなかったという。
***
〈 時系列は、例のアブ事件から数日たった
「バカさま生きていたのか?」
「お前、もう少し心配したらどうだ?……見舞いの
「もう、大作家だから大丈夫かと思っていた……」
「一冊こっきりで生きていける訳ないだろうが……写本からの上がりがなきゃ、無理に決まっているだろう? 親と娘と三人で少しくらい写本してもどうにもならんぞ? 書くだけでも限界近いくせに……紙の仕入れ先と販売先の交渉なんて、お前にできるのか?」
「むっ……また、
言われてみればと、
「まあいい……そう言えば
「え?
「
「人生の必需品だ……ま、
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