🔮パープル式部一代記・第八話
娘ほど、根暗な人間はいないと思っていた
「あ……
もし、このおなごに、
「と、とっ、殿っ!!」
「心配はいらん……」
「…………」
似合いもしない、仕立ての大きさもあっていない、古びた十二単(ゆかり@
やがて
「あら? わたくし疲れているのかしら?」
「な? 帝に会わせる時は、常に
「さすが殿ですわ……って、あなた! なにをしているのっ!?」
ゆかりは、
「ふ……ふふふ……おもしろ……」
「
「上からなにか貼って、ごまかすか……」
***
〈 内裏 〉
「え?
「これは、恥をかけんな……」
そんなこんなで、ゆかりのらくがきは、当日までに、当代きってと呼ばれる貴族たちの詠んだ歌を書いた紙で、上から覆われてしまい、きれいに隠されていた。
「ちっ……」
「残念だったわね……でも、おもしろ……ふ……ふふふ……」
そして、
出世魚ならぬ、ゆかり……いや、パープル式部一代記の幕開けであった。
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