9章 王様や姫君のように
**ガニメデ国立病院 - 軍医カルテ**
**患者名:** ガラ・エリオス中佐
**性別:** 男性
**職務:** 太陽系連合軍 特別士官
**担当医師:** ドクター・ラファエル・コナー
**カルテ番号:** GNHB-56473
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**入院経緯:**
患者は、タイタンのロマノフ空中基地での任務中に発生した爆風により重傷を負い、搬送された。爆風で吹き飛ばされそうになったところを、ジャック・ヒーリング大佐によって腕を掴まれて駆逐艦に乗せられ、その後、意識不明の状態でガニメデ国立病院に到着した。
**応急処置記録(搬送時の処置):**
- 搬送中、現場にて気管挿管が行われ、自発呼吸の補助がなされた。
- 頭部および顔面の熱傷には、簡易滅菌ガーゼが適用され、仮設の皮膚保護膜が使用された。
- 血圧低下に対する応急処置として、ナノ血液製剤の初期投与が行われた。
- 意識レベルが著しく低下していたため、神経保護のための仮設ニューロスタビライザーが使用され、脳浮腫の進行を抑制。
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**初診時の所見:**
- **意識レベル:** NRCS(Neurological Response Composite Scale)スコア 4(昏睡)
- **外傷:**
- 顔面および頭部にIII度熱傷(右側面を中心に広範囲に及ぶ)
- 頭蓋骨に微細な亀裂骨折の疑い
- 胸部および腹部に爆風による複数の内出血および骨折
- 右腕および両脚に内部組織損傷
- **呼吸:** 自発呼吸低下、ポータブル酸素供給装置(POD)を使用して酸素供給を補助。現場で応急的に気管挿管済。
- **循環:** ショック状態、ナノ血液製剤の投与を開始。急速治療用の再生ナノマシンが不足しているため、代替プロトコルを使用。
- **神経学的評価:** 瞳孔反応に遅れが見られるが、左右対称。神経系への重大なダメージは認められないが、クラン脳波装置で2度異常を確認。脳浮腫のリスクがあるため注意が必要。
- **画像診断:** 簡易スキャナーで頭部の3Dホログラムを作成。軽度の脳浮腫を確認し、監視が必要。
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**診断:**
- 広範なIII度熱傷(顔面、右側面)
- 頭蓋骨骨折および脳浮腫
- 肺の組織損傷および急性呼吸障害
- 多発骨折および内臓へのダメージ
- 昏睡状態(原因: 脳外傷および循環不全)
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**治療経過:**
1. **救命処置:**
- ポータブル酸素供給装置(POD)を用いた酸素補助を継続。軽度の脳浮腫を抑制するため、簡易オスモディレクトリ(浸透圧調整装置)を使用し、脳圧を管理。限られたリソースの中で、シンプルなニューロリレー処置を施行。
- 熱傷部分には現場で使用された簡易滅菌ガーゼが既に適用されており、到着後に抗生物質塗布を追加し、感染予防を強化。
- ショック状態の改善のため、限られたナノ血液製剤の継続投与を実施。現状では、迅速治療用の再生ナノマシンは使用できないため、代替プロトコルで循環を維持。
2. **集中治療:**
- ICUでのモニタリングを継続し、特に頭部外傷の経過を注意深く観察。脳波モニタリングを行い、異常の有無を確認。
- 再生治療が可能な場合に備え、皮膚の損傷部位についての経過観察を実施。現在は感染予防と循環維持に注力。
3. **現在の状態:**
- 患者は依然として深い昏睡状態にあり、意識回復の兆候は見られない。
- 神経系のダメージは限定的で、意識回復の可能性があるが、経過観察が必要。
- 呼吸および循環機能はPODおよびナノ血液製剤により維持されているが、長期的な回復には再生治療が必要。
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**予後:**
- 患者の状態は依然として重篤だが、昏睡からの回復の見込みは完全に排除されていない。物資が限られているため、最良の治療を提供するには困難が伴うが、現状の設備でできる限りの治療を継続する。
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**担当医署名:**
**ドクター・ラファエル・コナー**
*ガニメデ国立病院 軍医*
**ガニメデ国立病院 - 軍事報告書**
**件名:** ガラ・エリオス中佐の現状および軍事的観点からの必要情報に関する報告書
**発信者:**
- **ドクター・ラファエル・コナー**(ガニメデ国立病院 軍医)
- **カーステン・リヴァース准将**(ガニメデ国立病院 軍事医療部門 管理官 兼 保安責任者)
**宛先:** 地球連合軍司令部
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**報告内容:**
**1. 患者の現状に関する報告**
患者であるガラ・エリオス中佐は、タイタンのロマノフ空中基地での任務中に発生した爆風により重度の負傷を負い、現在ガニメデ国立病院の集中治療室(ICU)にて治療中です。中佐は依然として昏睡状態にあり、以下の主要な症状が確認されています。
- **熱傷:** 顔面および頭部にIII度熱傷。再生治療が不足しているため、現段階では抗生物質と仮設皮膚保護膜による治療が行われています。
- **頭部外傷:** 頭蓋骨に微細な亀裂骨折および脳震盪。脳浮腫のリスクがあるため、脳圧の管理が継続されています。
- **呼吸障害:** 急性呼吸障害が認められ、ポータブル酸素供給装置(POD)を使用して呼吸を補助しています。
- **循環:** ショック状態が改善しつつありますが、ナノ血液製剤の継続投与が必要であり、循環機能の維持が求められます。
**2. 軍事的観点からの必要情報**
エリオス中佐の現状に基づき、以下の情報を軍事的観点から報告します。
- **移送の困難さ:** 現在の患者の状態に鑑み、他の医療施設への移送は極めて困難であり、高リスクと判断されます。特に、頭部外傷および循環器系の不安定さを考慮すると、移送中の状態悪化やさらなる命の危険が予想されます。現時点では、ガニメデ国立病院での治療を継続することが最良と考えます。
- **意識回復の見込み:** 意識回復のタイミングは不明です。現段階での任務復帰は不可能と考えられますが、回復の兆候が見られた場合には、直ちに司令部に報告します。
- **軍事行動への影響:** エリオス中佐が指揮を執ることは現状では不可能ですが、中佐の負傷および治療状況に関する情報は極秘とし、敵対勢力に漏れることがないよう徹底的な管理が求められます。中佐の不在が戦況に与える影響についても、慎重な対応が必要です。
**3. 推奨される次の行動**
- **治療の継続:** ガニメデ国立病院での集中治療を継続し、患者の状態が安定するまで慎重に経過観察を行います。ナノ血液製剤および酸素供給装置の補充が必要であるため、医療物資の速やかな補給が望まれます。
- **移送の見送り:** 患者の移送は、少なくとも現在の状態がさらに安定するまで見送るべきです。移送が必要となる場合は、事前に十分な準備とリスク評価を行う必要があります。
- **情報管理:** 患者の状況および治療に関する情報は、厳重に管理され、限られた関係者のみに共有されるべきです。
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**署名:**
**ドクター・ラファエル・コナー**
*ガニメデ国立病院 軍医*
**カーステン・リヴァース准将**
*ガニメデ国立病院 軍事医療部門 管理官 兼 保安責任者*
### タイトル: *エウロパ戦線膠着、機雷網が地球連合の進軍を阻む*
**コスモス・デイリー通信**
**担当記者: イグザル・ハークレイ**
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木星の衛星エウロパを巡る戦いは、ここ数週間で一層激しさを増しているが、海王星連合が配備した大量の光子透過機雷によって、地球連合の進軍は停滞し、戦線は膠着状態に陥っている。
### **機雷網による進軍停止**
エウロパを制圧するために派遣された地球連合の艦隊は、海王星連合によって周到に設置された10万基を超える自立推進式光子透過機雷によって立ち往生している。これらの機雷は周囲の物体を感知し、大型の移動物体に対して遅いが確実な速度で接近し、自爆するようにプログラムされている。これらの機雷は海王星連合軍のステルス機にも搭載された光子透過技術を応用しているため、目視や既存のレーダーでの感知が非常に難しい。これにより、地球連合の艦船はいちいち質量弾を撒いて進軍するなど、慎重な動きが求められ、一歩も進めない状況が続いている。
「これまでのところ、あの機雷は敵味方を識別している様子はない」と、前線の地球連合指揮官が述べる。「あれでは、海王星連合自身も補給を行うことが難しいはずだ。我々が見る限り、エウロパの戦線は事実上、籠城戦となるだろう。」
### **不可解な「ビッグフラッド」の活動**
しかし、わが社の取材チームは、奇妙な事実を掴んでいる。戦況が膠着する中、海王星連合の主力艦の一つである「ビッグフラッド」が、何度も機雷網をすり抜けて出撃を繰り返し、攻撃や補給活動を行っている可能性がある。
「ビッグフラッド」はエウロパの防衛の主力と考えられている。1000メートル級のこの巨大な機体がどうやって機雷網を避けているのかは不明だ。出撃のたび、悪名高きカルリラル・ヴァルトラ将軍の指揮のもと、地球連合軍には甚大な被害が発生している。しかも不利になると機雷網の奥に逃げ帰ってしまう。観察によれば、ビッグフラッドのみならず他の海王星連合軍艦船も、定期的にエウロパから離脱し他所からの物資や兵員を補充しているようだ。その移動はあまりにもスムーズであり、機雷の脅威をまるで意に介していないように見える。
「彼らがどうやってあの機雷網を突破しているのかは謎です。地球連合もわかってはいないでしょう。わかっていたらエウロパは落ちているはずです」と、軍事アナリスト、ドクター・エドワード・ノースウッドは語る。「我々の艦隊が一歩進むたびに慎重な操作を強いられる一方で、『ビッグフラッド』は何の障害もなく行動しているようだ。これは、我々が未だに知らない何かがあると考えざるを得ない。」
### **戦況の見通し**
エウロパは、かつて栄華を極めたカジノ都市が虐殺され、軍需工場に変えられた後も、戦略的な重要拠点であり続けている。ここを抑えることで、地球連合は太陽系外縁部への進軍の足がかりを得ることができるはずだった。しかし、現状では、膠着した戦線が続く中、エウロパの奪還は依然として遠い目標となっている。
地球連合内部では、エウロパ攻略のための新たな戦術を模索する動きが活発化しているが、海王星連合の巧妙な防衛戦術に対抗するためには、時間と労力が必要であることは明白だ。
「戦況が進展しないまま、我々はただ消耗している」と、地球連合の上層部からは焦りの声が聞こえる。「エウロパの戦線が膠着する中、我々は新たな突破口を見つけなければならない。さもなくば、戦争全体が長期化し、さらに多くの犠牲を強いられることになる。」
**コスモス・デイリー通信**
**地球連合軍司令部 - 重大事件報告書**
**件名:** ガラ・エリオス中佐暗殺未遂事件に関する報告および逮捕記録
**報告者:** カーステン・リヴァース准将(ガニメデ国立病院 軍事医療部門 上官)
**宛先:** 太陽系連合軍司令部、特別捜査部門
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**概要:**
ガニメデ国立病院において、エリオス中佐の治療を担当していた軍医リキナ・バルバンディが、トリカブト毒素を用いて中佐を暗殺しようとした疑いで逮捕されました。本件は、ダブルチェックと最上級の暗殺警戒体制が敷かれている中での犯行であり、非常に巧妙な手口が用いられました。
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**事件の詳細:**
**1. 暗殺未遂の経緯**
リキナ・バルバンディ軍医は、ガニメデ国立病院に配属されており、エリオス中佐の治療チームの一員として任務に従事していました。彼女は、日常的に患者のケアを行う立場にあり、特にナノ血液製剤の管理および投与を担当していました。
バルバンディ軍医はナノ血液製剤に見せかけたトリカブト毒素を混入させ、エリオス中佐に投与しようとしました。この毒素は神経系に即座に作用し、少量であっても致命的な結果を招く非常に危険なものでした。
事件当時、エリオス中佐はダブルチェックおよび最上級の暗殺警戒体制下にあり、投与される薬剤や治療行為は厳重に監視されていました。バルバンディ軍医はこれをかいくぐり、通常の投薬手順を装って毒素を用意していたと考えられます。
**2. 犯行手口**
バルバンディ軍医は、薬剤投与の直前に毒素を注射器に取り替えるという手口を用いました。彼女は監視カメラの死角を利用し、あらかじめ偽装した薬剤を注射器にセットしていたことが確認されています。
通常、薬剤の準備と投与には複数の医療スタッフが関与し、二重の確認が行われますが、彼女は薬物準備時に行われるこの手順をすり抜けるため、投与の直前に極めて短時間での交換を行い、投与予定のナノ血液製剤に毒素を混入させることに成功しました。
また、彼女はトリカブト毒素をナノ血液製剤に混入させた後、注射器をすり替え、再び通常の薬剤が投与されるように装っていました。これにより、二重のチェックが行われているにもかかわらず、毒素がエリオス中佐に投与される直前まで発覚しなかったのです。
迅速に発見されたため、ガラ・エリオス中佐の体内に実際に入った毒素はごく少量(予定量の1%以下)とみられます。厳重な経過観察と必要な医療措置が行われましたが、毒素の影響を疑うような容態の変化は認められませんでした。
**3. 逮捕の経緯**
バルバンディ軍医の行動に不審を抱いた同僚が、監視記録を確認した結果、彼女の異常な行動が発覚しました。直ちに捜査が行われ、彼女の持ち物からトリカブト毒素の残留物が検出され、毒物が混入された注射器も発見されました。
その場でバルバンディ軍医は拘束され、ガニメデ国立病院の保安部により身柄が確保されました。彼女は軍法会議の裁判を待つため、現在は厳重な監禁下に置かれています。
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**結論:**
バルバンディ軍医による暗殺未遂は、太陽系連合軍に対する重大な脅威であり、極めて高度な犯行手口が用いられたことが確認されました。事件の全貌解明および関与者の特定を急ぐため、特別捜査部門の全面的な協力が求められます。
また、エリオス中佐の治療および警戒体制について、さらに厳格な措置を講じる必要があります。
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**署名:**
**ドクター・ラファエル・コナー**
*ガニメデ国立病院 軍医*
**カーステン・リヴァース准将**
*ガニメデ国立病院 軍事医療部門 管理官 兼 保安責任者*
**ガニメデ医療新聞**
**見出し:** 「リヴァース准将、暗殺未遂事件の余波で引責辞任 - ガニメデ医療の立て直しに尽力した立役者が民間へ」
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**本文:**
ガニメデ国立病院の軍事医療部門の管理官であり、保安責任者でもあったカーステン・リヴァース准将が、暗殺未遂事件の余波を受けて引責辞任することが決定されました。
リヴァース准将は、タイタンのロマノフ空中基地で重傷を負ったガラ・エリオス中佐に対する暗殺未遂事件が発覚した際、病院の保安体制を指揮していた責任者として、その責任を取る形で辞任を申し出ました。彼の辞任は、ガニメデ国立病院および地球連合軍司令部に大きな影響を与えることが予想されます。
**ガニメデ医療の立て直しに尽力**
リヴァース准将は、ガニメデにおける医療体制の立て直しにおいて、物資不足という深刻な課題に直面しながらも、軍医療部門を見事に指揮し、その復興を支えました。彼のリーダーシップにより、多くの負傷者が救命され、ガニメデ国立病院は戦場での医療拠点として重要な役割を果たすことができました。
しかし、今回の暗殺未遂事件は、病院のセキュリティ体制に重大な疑問を投げかけるものであり、リヴァース准将はその責任を痛感していたと言われています。
**辞任後の進路**
リヴァース准将は、自らの業務を後任に引き継ぎ、辞表を提出した後、今後は民間に身を置く意向を示しています。彼の辞任は、地球連合軍にとって大きな損失であると同時に、民間医療への貢献が期待される転機でもあります。
ガニメデ国立病院は、リヴァース准将の退任後も、彼が築き上げた基盤をもとに、引き続き医療体制の維持と強化に努めるとしています。
**地球連合軍司令部 - 作戦行動全体の評価報告書**
ロマノフ空中基地作戦行動に関する評価および原因分析
地球連合軍元帥麾下、作戦統括部門
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**1. 作戦行動全体の評価**
今回のロマノフ空中基地に対する作戦行動は、当初の目標であった人質救出および基地制圧において部分的な成功を収めたものの、全体としては極めて厳しい結果となりました。特に人的損失が大きく、救出対象であった人質の多くが救出不可能な状況に陥ったことは、作戦の重大な失敗を意味します。「限定的成功」と分類しました。
**主要評価ポイント:**
- **人質救出の成否:** 推定100名の人質のうち、救出できたのはわずか14名に留まりました。基地の急激な崩壊および敵軍の予測不能な攻撃によって、救出活動が大幅に制約され、結果として多数の人質が死亡または行方不明となりました。
- **部隊の損失:** 突入部隊の損害も甚大であり、特にγ部隊は全員が行方不明(全滅と推定)となり、α部隊も大多数が戦死または行方不明です。指揮官であるガラ・エリオス中佐も重傷を負い、現状では戦闘復帰が困難な状況です。
- **敵軍への打撃:** 敵軍の損耗は極めて大きく、基地人員および駆逐艦2隻の乗組員が全滅したと考えられます。基地自体も機能を喪失し、再利用不可能な状態となりました。
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**2. 原因分析**
今回の作戦失敗の主要な原因は、以下の要素に起因しています。
- **敵の予測不能な戦術:** まず、制空権を掌握した後にもかかわらず、海王星連合軍が駆逐艦2隻を基地付近に隠していたことは、我々の情報収集および分析の不備を露呈しました。さらに、駆逐艦には通常ではあり得ない火力が備えられており、これが作戦遂行を著しく妨げました。後に判明したところによると、駆逐艦「サンダーボルト」には戦艦ビッグフラッドの熱戦砲が移植されており、回路の損耗を前提に一度限りの高出力発射が行われたことが確認されました。
- **自爆攻撃の想定不足:** 駆逐艦「サンダーボルト」は、最終的に自爆攻撃を行い、基地の半壊を引き起こしました。これにより、我々の部隊および人質が大きな損害を受けました。このような自爆攻撃は前例のないことではありますが、海王星連合の常軌を逸した非人道性を考えると考慮可能なことでした。ニュートリノ検出器によって伏兵の存在は承知していたと報告を受けていますが、差し迫った状態であったとはいえ、伏兵の正体や狙いが全くわからない状態で、突入を急ぐべきではありませんでした。また、捕らえた海王星連合の士官への尋問により、駆逐艦「トルネイド」も自爆攻撃を行う予定であったことが判明しました。さらなる損害が防げたことは幸運でした。もし実行に移されていればわが軍の作戦部隊も含め完全な全滅に至っていたと思われます。これらの事実は敵の徹底した破壊戦術を改めて浮き彫りにしました。
- **敵戦力の過小評価:** 敵の戦術および装備の過小評価が、今回の作戦の失敗を招いた要因の一つです。我々は、制空権を掌握した段階で敵の駆逐艦が隠れている可能性を十分に考慮せず、また、その火力を見誤りました。この結果、基地自体が破壊され、救出作戦が大きな支障を来しました。
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**3. 今後の対応策**
- **情報収集の強化:** 今回のような予測不能な敵戦術を防ぐためには、より精密かつ広範な情報収集が必要です。特に、敵の艦船や基地周辺の監視を強化し、潜在的な脅威を早期に察知するための技術導入が求められます。
- **新戦術の開発:** 自爆攻撃に対処するための新たな戦術および装備の開発が急務です。特に、敵の意図を早期に察知し、迅速に対応するための防衛策を講じる必要があります。
- **指揮系統の再評価:** 指揮系統および作戦計画の見直しが求められます。今回の失敗を教訓に、リスク評価および対応策の再構築を行い、再発防止に努めるべきです。
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**結論:**
今回の作戦は、予測不能な敵の戦術および我々の情報収集不足による大きな損失を招きました。作戦の結果を踏まえ、迅速に対応策を講じ、次なる戦闘に備える必要があります。今回の失敗を教訓とし、連合軍全体の戦術および戦略の強化を図ることが求められます。
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**承認**
**署名:**
**地球連合軍元帥**
**海王星連合 声明**
**発表者:** 海王星連合政府
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**声明内容:**
「我々、サナト・アズリスの教えを信じ、宇宙の調和と真理を求める海王星連合は、地球連合軍によるタイタンのロマノフ基地における卑劣な行為を断固として非難する。
地球連合軍は、神聖なるゼノの教えに背き、宇宙の平和と均衡を乱す無差別虐殺を敢行した。タイタンにおいて、我々の敬虔な信者たちを含む数千人の人員が一度に虐殺され、その無惨な行いによってタイタンに住んでいた無垢な民間人、約90人が巻き込まれて命を奪われた。その大半は女性や子供であり、彼らはただ平和の中で生きることを望んでいた者たちである。
さらに、この行動が、宇宙全体が平和を願い、調和を祝うべき祭典であるオリンピックのさなかに行われたことは、地球連合軍の残虐性と暴力的な本性を如実に示している。我々はこの行為を断じて許さない。
サナト・アズリスの光のもと、宇宙の真理が地球連合軍の心を浄化し、彼らが正しき道を歩むよう導かれることを願う。しかし、我々はまた、正義が執行されることを望む。
この不当な行為に対する報復は避けられない。海王星連合は、宇宙の秩序と神聖なるゼノの教えを守るため、必要なあらゆる手段を講じることをここに宣言する。地球連合軍が再びこのような蛮行を繰り返すことがないよう、我々は宇宙の真理をもって対抗するであろう。」
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**海王星連合政府**
**マルティプライ通信 - 特別討論番組「ロマノフの惨劇を許すな」**
**討論参加者:**
- **司会者:** マリウス・ヴェリクス
- **政治指導者:** カルダ・ネモス(海王星連合最高評議会議員)
- **司祭:** セラフィン・カイサー(サナト・アズリス神殿 大司祭)
- **大学教授:** リアナ・テレノス(トリトン大学 戦争倫理学教授)
- **作曲家(文化人):** ザイード・フィルマス(海王星連合国家音楽院 院長)
- **戦争学者:** ドラゴ・レムフォード(海王星連合戦略研究所 所長)
- **特別ゲスト:** ギアール・ガンベ(前回オリンピック アーチェリー金メダリスト)
**マリウス・ヴェリクス(司会者):**
「本日は、タイタンのロマノフ空中基地での惨劇について討論を行います。地球連合軍が犯したこの蛮行は、我々の信仰と宇宙の調和に対する重大な挑戦です。まずは、ギアール・ガンベ選手にお話を伺います。ガンベ選手、この事件についてどのように感じていますか?」
**ギアール・ガンベ(アーチェリー金メダリスト):**
「このユニフォームに書かれているように、『ロマノフの惨劇を許すな』という思いが私の全てです。地球連合軍は、オリンピックという平和の祭典が行われているさなかに、我々の同胞を虐殺しました。私たちはこの蛮行を決して忘れてはならないし、許してはならない。」
**カルダ・ネモス(政治指導者):**
「ガンベ選手の言葉に強く共感します。地球連合軍がタイタンで行った行為は、明らかに戦争犯罪です。彼らは我々の無防備な市民、特に女性や子供たちを巻き込んで無差別に虐殺しました。これは明確にサナト・アズリスの教えに反し、宇宙の秩序を乱す行為です。」
**セラフィン・カイサー(大司祭):**
「地球連合は、サナト・アズリスの真理を軽視し、宇宙の調和を破壊しようとしています。このような行為は、神聖なる教えへの冒涜であり、我々はこれに対し、正義の名のもとに立ち上がらなければなりません。ロマノフの犠牲者たちの魂は、我々に報復を訴えています。」
**リアナ・テレノス(大学教授):**
「戦争倫理の観点から見ても、地球連合軍の行動は非人道的であり、国際法に違反しています。彼らが無辜の市民を標的にしたことは明白であり、このような行為は決して許されるべきではありません。国際社会もこの蛮行を糾弾するべきです。」
**ザイード・フィルマス(作曲家):**
「この悲劇を目の当たりにし、私は怒りと悲しみを抑えることができません。この出来事は、我々の文化、我々の魂に深い傷を刻みました。音楽を通じて、私はこの惨劇を忘れないように訴えていくつもりです。そして、我々の決意を世界に伝えなければなりません。」
**ドラゴ・レムフォード(戦争学者):**
「戦略的には、地球連合軍が行ったこの攻撃は、彼らの絶望的な戦術の現れであると言えます。我々の軍事力を恐れ、彼らは非道な手段に訴えざるを得なかった。しかし、彼らの行為が引き起こしたのは、我々の決意をさらに固める結果に過ぎません。」
**マリウス・ヴェリクス(司会者):**
「この討論を通じて、我々が一致団結し、地球連合の行為に対して強く立ち向かう必要があることが再確認されました。ロマノフでの惨劇を決して忘れず、彼らが引き起こした悲劇に対する報復を、我々の正義と信仰の名のもとに遂行していかなければなりません。」
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**CorE(核心)誌**
**「地球連合の暴走か?タイタンの悲劇で問われる軍の正当性」**
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タイタンのロマノフ基地での悲劇的な事件は、宇宙中に衝撃を与え続けている。地球連合軍が実行したとされるこの作戦により、数千人が犠牲となり、さらにタイタンに住む無辜の民間人約90人が巻き込まれて命を落とした。これらの犠牲者の大半は女性や子供であり、彼らの死は我々にとって重い問いを突きつけている。
確かに、タイタンは現在海王星連合の占領下にあり、そこにいる市民たちは事実上、人質として拘束されていたと認識されている。しかし、果たしてそれが今回の地球連合軍の行動を正当化するものであろうか。
海王星連合は、この事件を「無差別虐殺」と厳しく非難し、地球連合軍の行動を平和を願う宇宙に対する冒涜であると強く非難している。連合は、ゼノの教えを信奉する信者たちに対して行われたこの暴挙を決して許さず、報復を予告している。
一方で、我々の地球連合の指導者たちは、今回の作戦を必要悪と位置づけるが、この「必要」とは一体何であったのか?この犠牲は本当に避けられなかったのだろうか?タイタンでの作戦は、オリンピックという平和の祭典のさなかに実施されたこともあり、連合内外から大きな波紋を呼んでいる。
地球連合の市民として、我々は自らの政府に対して責任を問うべきである。特に、彼らが人質の命を危険に晒すという選択をしたことに対して、十分な説明が必要だ。タイタンでの市民の命が「作戦遂行」のために犠牲となったのだとすれば、それは許されることなのだろうか?
CorE誌は、この問題に対してさらなる調査を進め、事実を明らかにしていく所存である。タイタンの地で何が起きたのか、その真相とともに、地球連合軍の行動が果たして正当であったのか、読者の皆様に届ける責任が我々にはある。
CorE誌編集部
**地球連合 事務総長テンワーの談話**
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「地球連合は、海王星連合による不当な非難声明に対し、断固として反論します。我々がタイタンのロマノフ基地において行った行動は、海王星連合が意図的に引き起こした無差別な自爆攻撃に対抗するためのものであり、彼らの主張する虐殺とは全く異なるものであることをここに明言します。
海王星連合は、ロマノフ基地に多数の人質を収容し、それを盾として利用するという卑劣な手段を取っていました。これにより、彼らは自らの非道な行為を隠蔽し、地球連合軍の正当な救出作戦を阻害しようとしたのです。
しかし、事態はさらに悪化しました。海王星連合は意味不明かつ凶悪な自爆攻撃を実行し、基地内にいた多くの人質や自軍の兵士を含む無辜の命を奪いました。この自爆攻撃により、我々の救出作戦は阻まれ、多くの貴重な命が失われたのです。
地球連合は、宇宙の平和と調和を守るために戦っており、その中で避けられない行動を取ることがあります。しかし、今回の事件は、海王星連合の指導層が、自らの民をも顧みず、無意味な犠牲を強いた結果であることを強調したいと思います。
海王星連合の主張は、事実を歪曲し、彼ら自身の凶行を隠蔽しようとするものであり、我々はこれを断固として非難します。地球連合は、宇宙の秩序と正義を守るため、引き続きあらゆる努力を尽くしていく所存です。」
**ギャラクシーTV インタビュー: カースティン・リ・ド・ヴァルド中将**
**インタビュアー:** ギャラクシーTVの記者
**場所:** ガニメデ近傍の宇宙ステーション某所
**受訪者:** カースティン・リ・ド・ヴァルド中将(地球連合軍土星方面艦隊司令官)
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**インタビュアー:**
「中将、今回のタイタンのロマノフ基地における作戦について、地球連合軍の立場からお話をお聞かせください。特に、海王星連合が出した非難声明に対して、どのようにお考えでしょうか?」
**カースティン・リ・ド・ヴァルド中将:**
「まず、海王星連合の虚偽の発表や風説に対抗する必要があると強く感じています。彼らの主張は、真実を歪めたものであり、まさに卑怯で人命を軽視した、海王星連合らしい作戦でした。
彼らはそもそも、ロマノフ基地に民間人を縛り付け、彼らを人質にして虐殺していたのです。男性は非人道的な人体実験の対象とされ、女性は娼婦として扱われていました。これは彼らの常套手段であり、無垢な命を平然と犠牲にする行為です。
もし我々地球連合軍が本当に人命を軽視していたなら、基地を空中から対地攻撃で攻め、迅速に制圧することも可能でした。しかし、ガラ・エリオス中佐をはじめとする心ある士官たちは、それを良しとしませんでした。彼らは自ら志願し、困難な状況下で人質を救出し、工作によって基地を奪取する任務に就きました。これは、なるべく少ない犠牲で基地を解放しようという強い意志からでした。
しかし、海王星連合軍はそのことすら計算に入れていたのです。彼らは、我々の士官を引き込んだ上で、基地を完全に破壊し、味方の兵士や人質もろとも、中にいた者全員を殺す計画を実行しました。これは、彼らの残虐性を如実に示しています。」
**インタビュアー:**
「中将、そのような背景があったとは驚きです。最後に、今回の事件を受けて、地球連合軍としての今後の方針についてお聞かせいただけますか?」
**カースティン・リ・ド・ヴァルド中将:**
「地球連合軍としては、今後も宇宙の平和と秩序を守るため、海王星連合の卑劣な行為に対抗していく所存です。今回のような悲劇を二度と繰り返さないために、より強固な防衛策と、迅速な対応を講じていくことを約束します。私たちは、犠牲となった人々のためにも、決してこの行為を許すことはありません。」
**インタビュアー:**
「ありがとうございました、中将。貴重なお話を聞かせていただきました。」
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**大西洋新聞 - 社説**
**ロマノフの失策とタイタン攻略の再考: 停戦と人質交換の提案**
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タイタンのロマノフ空中基地における地球連合軍の作戦は、結局のところ多くの犠牲者を出し、ロマノフ基地自体もほぼ壊滅的な状態となりました。作戦の最終的な成果として、タイタンは解放の方向に進みつつありますが、その代償はあまりにも大きく、失策と言わざるを得ません。
ロマノフ基地の奪取作戦が重大な失敗に終わった今、我々はタイタンにおける戦略を再考すべきです。特に、地上基地イワンの地下施設には、まだ多くのタイタンの元住民が収容されていると見られます。これ以上の犠牲者を出す前に、より平和的な解決策を模索するべきではないでしょうか。
**人質交換を条件に停戦を提案**
ロマノフ基地での失策から学ぶべきは、軍事力の行使が必ずしも最善の選択肢ではないということです。タイタンの住民が人質として囚われている現状を考慮すると、地上基地イワンを武力で攻略することの意義は薄れています。
むしろ、海王星連合との交渉を再開し、人質交換を条件に停戦を模索するべきです。これは、タイタンおよび土星の他の衛星を巡る戦争を早期に終結させるための賢明な選択であり、無益な流血を防ぐ唯一の手段であるかもしれません。
**土星の衛星を占領する意義の再考**
さらに、土星の衛星を強いて占領し続けることにどれだけの意義があるのかを再考する時が来ています。海王星連合との長期的な軍事衝突は、地球連合にとって経済的にも人的にも大きな負担を強いるだけでなく、宇宙全体の平和と安定を脅かすことになります。
我々は、無理に土星の衛星を占領するよりも、和平交渉を通じて持続可能な解決策を見出すべきです。これにより、タイタンをはじめとする土星圏の住民の安全と未来を守ることができるでしょう。
**結論:**
ロマノフでの失策は、地球連合軍が新たな戦略を採るべき時が来たことを示しています。軍事力に頼らず、人道的な解決策を模索することこそが、我々の進むべき道であると考えます。人質交換を条件に停戦を提案し、土星の衛星占領の意義を再考することで、無益な戦争を終わらせる第一歩を踏み出すべきです。
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*著者: 大西洋新聞 編集部*
**退院後記者会見 - ジャック・ヒーリング大佐**
**場所:** 地球連合軍ガニメデ支部 記者会見室
**出席者:** ジャック・ヒーリング大佐(右腕に包帯を巻いている)
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**記者:** 「ニューワールド新聞のサラ・オリヴァーです。ロマノフ基地の件についてお伺いします。作戦が失敗に終わったことについて、一部では地球連合軍の判断が問われています。これについて、どのようにお考えでしょうか?」
**ジャック・ヒーリング大佐:**
「ロマノフ基地でのことは、海王星軍の卑劣かつ予測不可能な自爆攻撃のせいだ。それ以上でも、それ以下でもない。敵が自分たちの基地ごと吹き飛ばすなんて、普通の軍隊なら考えもしないだろう。だが、相手は海王星連合だ。奴らに普通を期待する方が間違いだった。」
**記者:** 「ギャラクシーTVのダグラス・ハーランです。オリンピックの開催中にこのような作戦を実行することについて、批判の声も上がっていますが…。」
**ジャック・ヒーリング大佐:**
「オリンピックがどうこう言う意見なんざ、相手にする価値もない。彼(ガラ・エリオス中佐)はまだ公式に発言できる状態じゃないが、もし話せたら、きっと『ふざけるな』って言うだろうよ。人質が悲惨な目に遭っている最中に、『大変ですね、でもオリンピック中なので2週間待ってください』なんて言うか? そんな馬鹿げたことを考えられるわけがないだろう。」
**記者:** 「タイタンの地上基地イワンの攻略について、地球連合軍の方針はどうなるのでしょうか?」
**ジャック・ヒーリング大佐:**
「海王星連合の野蛮人どもが、収容施設から次々と人質をイワンに運び込んでいるという話もあるが、奴らはただ、人質を盾にすれば地球連合軍の立場が悪くなるって学習したに過ぎない。
これまでそんなことを考えもしなかったのは、奴らに人の心がなくて思いつかなかったからだ。今になってやっと思いついたんだろうが、俺たちが奴らの脅迫に屈すると思ったら大間違いだ。
奴らがどんなひどい内容の脅迫のビデオを送ってきたか忘れたやつは、記憶喪失か? 医者に診てもらえよ。のちのち、返却する人質一人につき何人、やつらの命を助けてやるかって段階で、奴らは人質を王様や姫君のように丁重に扱わなかったことを、後悔することになるだろうよ!! 必ずな!」
**記者:** 「最後に、戦友のマネッシュ・ドネスツリカヤ中尉の死についてお聞かせください。」
**ジャック・ヒーリング大佐:**
「マネッシュ・ドネスツリカヤ中尉は、駆逐艦サンダーボルトの行動を止めるために任務に就き、結果的に失敗したとみられる。でも、彼女は勇敢な戦友だった。艦内で何が起こったかはまだ完全にはわかっていないが、海王星連合のことだし、強い戦士を倒したということは、きっと敵は異常なほど卑怯な手段をとったはずだ。それでも、彼女を下すのは並大抵のことじゃなかった。雑魚どもを10人は道連れにしただろう。彼女は勇敢な最期を遂げたに違いない。」
**地球国営通信**
**ヒーリング大佐、ロマノフ基地作戦後の記者会見で海王星連合を激しく非難**
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本日、地球連合軍ガニメデ支部にて、ロマノフ空中基地作戦後に退院したばかりのジャック・ヒーリング大佐が記者会見を行い、今回の作戦に関する見解を述べました。右腕に包帯を巻いた状態で登壇したヒーリング大佐は、海王星連合軍の卑劣な戦術を強く非難し、記者の質問にやや粗野で苛立った態度で答えました。
**ロマノフ基地の件について**
ヒーリング大佐は、ロマノフ空中基地での作戦失敗の原因として、海王星連合軍の「卑劣かつ予測不可能な自爆攻撃」を挙げました。敵が自らの基地ごと吹き飛ばすという非常識な行動に対して、「敵が普通の軍隊であればあり得ないことだ」と述べ、作戦が地球連合軍の意図とは異なる形で悲劇的な結果に至ったことを強調しました。
また、オリンピックの最中にこの作戦を実行したことに対する批判に対しては、「オリンピックがどうこうという意見に至っては相手にする価値もない」と一蹴。彼がもし発言できたら、ふざけるな、と言うだろう、とし、「人質が悲惨な目に遭っている最中に、救助を2週間待つなんて考えられるわけがない」と述べました。
**地上基地イワン攻略について**
さらに、タイタンの地上基地イワンの攻略に関して、海王星連合軍が収容施設から次々と人質をイワンに運び込んでいるとの報道についても触れました。ヒーリング大佐は、「奴らは基地に人質を縛り付ければ、地球連合軍の立場が悪くなると学習したに過ぎない」と断じ、海王星連合の非人道的な行為に対して激しい言葉を投げかけました。
「奴らが真面目に人命を考えていると思っている者は、奴らがどれほどひどい脅迫のビデオを送ってきたか忘れたのか? 記憶喪失かもしれないから医者に診てもらえ」と述べ、海王星連合の冷酷さを強調しました。
**総評:**
ヒーリング大佐の発言は、今回の作戦における地球連合軍の立場を明確にし、海王星連合軍の非道な行為を厳しく非難するものでした。
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**地球国営通信**
**読者の反応**
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**ユーザー1:** 「ヒーリング大佐の発言には共感します。海王星連合のやり方は本当に卑劣です。あんな状況でオリンピックを持ち出すのはナンセンスだし、彼らを非難するのは間違っている。」
**ユーザー2:** 「でも、基地の作戦が失敗したのも事実。人質を救出するための計画がもっと慎重であるべきだったのでは? 無駄な犠牲を出さないためにも、今後の作戦を見直す必要があると思います。」
**ユーザー3:** 「オリンピックをやっている最中に戦争なんて、確かに複雑な気持ちだけど、あの状況で人質を放っておけるわけがない。ヒーリング大佐の言う通り、救出は最優先すべきだった。」
**ユーザー4:** 「ヒーリング大佐のイライラもわかるけど、もう少し冷静に説明してほしかったかな。感情的な発言が、逆に誤解を招く可能性もあると思う。」
**ユーザー5:** 「ガラ・エリオス中佐が今も意識不明っていうのが心配だ。彼が戻ってきてくれることを祈っています。彼らが命を懸けて戦っているのに、批判するのはおかしい。」
**ユーザー6:** 「海王星連合の自爆攻撃は非難されて当然だが、戦略的なミスは認めるべきだと思う。基地に人質がいるとわかっていたなら、もっと慎重に対応すべきだった。」
**ユーザー7:** 「海王星連合のやり方は本当に非人道的だ。ヒーリング大佐が怒るのも当然。彼らを止めるためには、連合軍の強い対応が必要だと思います。」
**ユーザー8:** 「ヒーリング大佐の最後の言葉に胸を打たれました。戦友の死を悼む姿勢は、彼が本当に仲間を大切にしている証拠ですね。」
**ユーザー9:** 「正直、感情的すぎるかなと思ったけど、彼の立場に立てばそうなるのも無理はない。基地を奪取するのは難しい状況だったんだろう。」
**ユーザー10:** 「これ以上の戦闘は避けられないのか? 海王星連合の非道さは許せないけど、これ以上の犠牲を出さないために、別の解決策を模索するべきじゃないかと思います。」
**秘密報告書**
**件名:** マネッシュ・ドネスツリカヤ中尉のアズリス・ポジティブ検査結果に関する報告
**宛先:** 地球連合軍元帥麾下 特殊作戦室
**報告者:** サマン・ケンプーア(情報分析官)
**機密レベル:** 極秘
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**1. 検査結果**:**陽性**
マネッシュ・ドネスツリカヤ中尉は、ガニメデ基地における人間ドックを偽装した検査において、アズリス・ポジティブ【陽性】と判定されました。サンプルは木星圏では検査できなかったため地球へ送付され、そのため検査結果が得られるまでに時間がかかり、結果的にロマノフ基地攻略戦後に結果が判明しました。検査結果が判明した時点で、当人は作戦中に行方不明(死亡扱い)となっていました。
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**2. 考察**
マネッシュ・ドネスツリカヤ中尉がアズリス・ポジティブ陽性であった事実は、タイタンでの作戦の推移を考えると、彼女の作戦遂行に影響を及ぼした蓋然性が極めて高いと思われます。彼女がかかわった軍事行動や軍事機密について再点検が必要と考えます。彼女が海王星連合のもとで生存している可能性も考慮すると、彼女の知り得た軍事機密はすべて海王星連合も知り得ていると見なすべきであると考えます。引き続き、士官に対する早期検査の徹底が必要です。また未検査者の任務配置の見直しが必要です。
**ライブラリ・チャンネルニュース:火星オリュンポスシティと地球アテネでのオリンピックが閉幕、次なる注目はパラリンピックへ**
火星オリュンポスシティと地球アテネが共同で開催したオリンピックは、無事に閉会式を迎えました。宇宙全域の視聴者の関心は、既にお待ちかねのパラリンピックへと向けられています。技術と人間の限界に挑む祭典! 人間の無限の可能性、選手たちの技術と精神力が生み出す感動的な瞬間が詰まった注目の競技をいくつかご紹介します!
**サイバネティック・バスケットボール**
選手たちは、自分の体の一部として装備された高度なサイバネティック義肢を使い、バスケットボールの試合に臨みます。義肢の動きは脳波で制御され、通常の身体では実現できないようなスピードやパワーが発揮されるため、試合はスピーディーで迫力満点です。
**ニューロ・アセント**
この競技では、選手がニューロリンクを介して障害を克服しながら、無限に広がるバーチャルリアリティ空間を登ります。選手の脳波がダイレクトに義肢やプロテーゼに伝わり、リアルタイムで動きを操作。現実の身体を動かせない選手たちが、超越的なパフォーマンスを発揮する姿は、見る者を魅了します。
**バイオニック・スプリント**
高度なバイオニック技術によって強化された義肢を使い、選手たちは驚異的なスピードで競技トラックを疾走します。人間の肉体を超えた速度と精密な動きを要求されるこの競技は、26世紀の技術の粋を集めたものであり、観客を沸かせること間違いありません。昨年地球陸上でケン・リーが生み出した2000メートル1分48秒25の世界記録を更新する選手は現れるのでしょうか!
**秘密報告書**
**件名:** ガラ・エリオス中佐のアズリス・ポジティブ検査結果に関する報告
**宛先:** 地球連合軍元帥麾下 特殊作戦室
**報告者:** サマン・ケンプーア(情報分析官)
**機密レベル:** 極秘
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**1. 検査結果:** **陽性**
ガラ・エリオス中佐は、減圧手術時に当人の同意なしでサンプルが採取され、地球へ送付された結果、アズリス・ポジティブ【陽性】と判定されました。検査結果が判明した時点で、ガラ・エリオス中佐は依然として意識不明の重体です。
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**2. 考察**
検査結果の意義については現在検討中です。……これまでの検査結果をすべて再点検する必要があるかもしれません。
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**親愛なる妻、そして最愛の母へ**
この手紙をあなたたちが読む頃、私はもうこの世にいないかもしれません。しかし、どうか私が最後まで自らの信念を貫き、ゼノの教えに従ったことを、理解していただけると信じています。
私たちが今戦っているこの戦いは、ただの戦争ではなく、サナト・アズリスの啓示を実現するための聖なる試練です。地球連合との対立は、私たちが信じる未来を守るために避けては通れない道なのです。私が選んだこの道は、ゼノの教えに基づき、私がなすべき最後の使命であると確信しています。
**親愛なる妻よ、カテリーナ。**
あなたとの出会いは、サナト・アズリスが私に与えてくれた最大の祝福でした。あの聖夜、ゼラの祈りを捧げた後、私たちは初めて目を合わせ、未来を誓い合いましたね。私が海王星連合の艦隊に志願したとき、あなたはその決断を尊重し、私を支えると約束してくれた。その言葉が、私にどれほどの力を与えてくれたか、あなたは知っていますか?
私たちが共に過ごした時間は決して長くはなかったかもしれませんが、その一瞬一瞬が私の心に深く刻まれています。あなたとの思い出が、今私がこの最後の任務に立ち向かう勇気となっているのです。
あの日、私たちはサナト・アズリスの聖なる神殿で誓いを立てましたね。「我が道は光の道なり、闇を恐れず進む」と。あなたがその時、私の手を握りしめ、微笑んでくれたことを、私は決して忘れません。その微笑みが、私をこの困難な道へと導いてくれたのです。
**最愛の母へ。**
あなたは私にゼノの教えを授けてくれました。サナト・アズリスが光の宇宙を創造した時のことを、あなたはよく話してくれましたね。闇に覆われた無限の空間の中から、サナト・アズリスが一筋の光を放ち、その光がすべての生命の源となった時の話を。あなたは言いました。「闇はいつか再び訪れる。しかし、光の勇者たちが立ち上がる限り、闇を払うことができるだろう」と。
母よ、私はその勇者の一人として、サナト・アズリスの意志を果たすために、この戦いに身を投じる決意をしました。私が選んだこの道は、ゼノの教えに従い、私たちの未来を守るためのものであり、歴史がそれを証明することを信じています。
この戦いは、ゼノの教えを信じるすべての者にとって、サナト・アズリスの光を守るための試練です。私はその光を追い求め、決して諦めることなく戦います。あなたが語ってくれた英雄たちのように、私は、闇の象徴たる悪魔の体を粉々に引き裂くべく、今、出陣するのです。そしてサナト・アズリスの意志を果たし、あなたの心の中で永遠に生き続けるでしょう。
どうか、私がいない未来を強く生き抜いてください。私は、永遠にあなたたちの心の中にいます。
**サナト・アズリス万歳!**
**サナト・アズリス万歳!**
**サナト・アズリス万歳!**
**アレクシス・ヴァレリアス**
駆逐艦サンダーボルト艦長
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