第7話
もう少しで約束の時間だ。
本当に彼女は来てくれるだろうか。
連絡先を聞かなかったのは、相手をしたくなかったかも。
不安を抱きながら再度時計を見てみる。
約束の時間だ。
周りを見渡したが彼女の姿は見えなかった。
人が多いから見つけられなかったかも。
そう思いしばらく人がはけるのを見ていた。
人が少なくなっても彼女の姿は見えなかった。
きっと準備に時間がかかっているんだ。そう思い込みただ待つことにした。
しかしいくら待っても彼女は全然来ない。
待ち合わせ場所を間違えたかもと思い、周辺を探したがそれでもいなかった。
結局、彼女は来なかった。
夏祭りが終わる時間まで待っていたが来なかった。
振られたんだ。
そう実感したとき、体から力が抜けそうになる。
なんとか気合を入れ、家に帰った。
ただ、ほとんど放心状態だったため、
どうやって家に帰っているかわからなかった。
家に着き、自分の部屋に着いたとき涙がボロボロ出た。
全然止まらなかった。嗚咽を含みながらずっと号泣した。
その後の夏休みは屍のように過ごしたためほとんど記憶がなかった。
目覚ましが鳴り、時計をとめる。
昔のことを思い出すなんて幸先悪いな。
今日から新しい学年になる。
この春から心機一転頑張っていこう。
そう思い、始業式に向かう。
夏の思い出 @satogo
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