第5話

結局誘えなかったなとため息をつきながら帰り支度をしていたら、彼女が声をかけてきた。

「まだ帰らないの?」

と言われたので、少し驚きながら

「もう帰るよ」

と答えた。

彼女は

「そうそれじゃあ二学期で会いましょう。」

と言い、教室から出ようしたので、僕は慌てて彼女を引き留めた。

彼女は不思議そうな顔をして

「どうしたの?」

と聞いてくる。

答えを返そうしても口がうまく回らない。

いつまでも黙っている自分を見ながら彼女は

「特になさそうなら私は帰るけど。」

と言い、再度教室から出ようとする。

僕は意を決して声を出した。

「夏休みは何をして過ごすの?」

と質問してみた。

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