第2話 予想外の返答
「あっ、美褂さぁ〜ん」あまあますぎる声で近づいてきた俺を読んだ大園の表情は、いつもと違う感じがする。「それで、どうしたの?」俺が大園に聞く。すると大園からは予想を上回る答えが返ってきた。
「あのね美褂さん、実はこんなのがあるんだけど…」俺に見せてきたのは、あるスマホの画面だった。その画面には「異世界冒険パッケージ」と書かれていた。説明の欄には「あなたもRPGゲームのような異世界を楽しんでみませんか?」とあった。「それで、なんなんだよ」俺は大体どうされるか気づいていたが、希望を胸に聞き返した。まだ「アレ」である確率は0.01%でもあるのだ。
しかし、その考えは音を立てて崩れた。
「一緒に──どうかなぁ?」そんな声で言われたら断れるわけがない。
ん?待てよ、もしかして、異世界冒険でモンスター倒したり、怪物に襲われそうなところを助けたらもしかしたらいい感じになったりして…!
「うん!いいよもちろん!」俺は馬鹿みたいに明るい声で言った。大園はちょっと困惑していた。「あ、ありがとぉ。」おい大園、そんな言い方したら俺溶ける!溶ける?溶けるってなんなんだ?俺は頭の中で困惑していた。溶ける?は?俺、変態かよ!
「それじゃあ、ね。」大園は困惑する俺を見てその場から去ろうとしていた。「あ、ちょっと待ってよ!」俺はせめてLINE交換だけでもしようと思って大園を引きとめた。
「なぁに?」「あ、あの、LINE交換だけでもしてもらえませんか?」こんな俺だし、断られるかもしれない。「いいよぉ。あ、QRコードでいい?」俺は嬉し過ぎて最後の方が全く聞こえなかった。「おーい!」俺は我にかえってLINEを交換することに成功。嬉し過ぎて飛びそうだった。「じゃぁ、ばいばい。またね。」大園は帰って行った。
よっしゃ!よし!よーし!この世の中で1番と言っていいほど嬉しい。あの大園に異世界冒険に誘われて、LINE交換もできるなんて!
いや、ちょっと待てよ。俺、最初大園にアレ…告白されると思ってここに来たんだよな?俺、本来の目的を忘れてる気がする。いや、俺は大園に誘われただけで幸せ者だと思っておく!
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