鏡を見よう
今まで「ナルシズム」と思っていたのに、よくよく調べたらそれは「ナルシシズム」と言うらしい。しかも「ナルシシズム」とは「自己を性的な対象とみなす状態」とのこと。なんか思っていたのと定義が違う。今回私が話したいのはロンドンの街を歩きながらショーウィンドウに映る自分の姿をチェックしてしまう自己陶酔的な行動についてだ(別にロンドンに限った話ではないが)。専門的には違うかもしれないが、これは一種のナルシシズムであり現代社会において必要な呼吸だと思っている。これ以降の文章では「自己陶酔的な状態になりたい欲求」=ナルシシズムと定義する。
アニオタの私が異世界転生ものと呼ばれるジャンルをなんとなくみてしまう行為は、満たされないナルシシズムを主人公の「俺つええええ」状態を通して満たそうという代償行動(欲求が満たされない場合、それを別の形で満たそうとする行動)になるのだろう。そういった代償行動はしばしば海外で「ショーウィンドウに映るクールな自分を見る」という行動に表れる。これについて「それはダサい」とか意見はあるだろうが、これって実はとってもお手頃な代償行動ではないだろうか?これは皮肉ではない、こんなコスパよくナルシシズムを満たせるのはとてもいいことだ。アニメを見ながらたくさんの時間を溶かしたあの頃と比べると本当にコスパがいい。
そんなことを考えていると、人間はみんな何かしらのナルシシズムを持っているのではないだろうかと思いたくなる。それを認めたくなくて紳士的な振る舞いをしてしまうこともあるだけれど、結局人が求めているものは幼稚でシンプルなことだと思う。自分を100%肯定できる精神状態を人は無意識に目指しているのかもしれない。マズローの欲求5段階説(知らない人は調べてみてね)でいうとどの辺だろうか、たぶん承認欲求あたりかな。贅沢な欲求だ、しかし現代社会を生きる人間にとっては不可欠だろう。SNSをみるより鏡を多くみた方が承認欲求って満たされるのかもしれない。
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