「寛容」他 神崎武雄 1942年下半期 第16回
神崎武雄は長谷川伸主宰の新鷹会に参加した作家のひとりだ。新鷹会とは大衆小説な新人作家を発掘・育成することを目的とした法人であり、以降も、平岩弓枝や池波正太郎など多くの直木賞受賞者を輩出している。
神崎武雄の直木賞受賞作に掲げられた「寛容」は、戦争によって日本人の本性を知るインド人を描く。ドミイはインド独立運動に際して、人を斬ってしまったことにより日本に逃亡した。彼は露天商をしていたが、商売は上がったりだった一方で、酒に溺れる毎日を過ごしていた。そんなときに彼はバナナ商売に手を出し、それが見事に当たって、嫁も貰った。しかし、昭和に入ってくると、不良英国人として国外追放となり、憧れの上海にやってくるのだが……
本作は外国人の日本人に対する無知を明らかにした、という読みも出来るであろう。一方で、現代の多くの読者ならば、本作を戦争期に於ける日本人の残忍さを読み取るに違いない。
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