第10話 白銀騎士の装備を手に入れた
シロガネはシルバーナイトを倒した。
けれどここから何をしたらいいのか分からない。
茫然としてしまう中、目の前には宝箱が残る。
「開けろってこと?」
シロガネは宝箱に近付く。
一体中に何が入っているのだろうか?
しゃがみ込んで、宝箱の蓋を開けてみる。
「はい」
パカッと蓋を開けた。宝箱の中身に目を通す。
しかし中には何も……入ってない?
「中身は空? じゃない……えっ?」
宝箱の中には亜空間が広がっていた。
無限の暗闇が世界を作り出すと、シロガネはその奥にキラリと光るものを見つける。
腕を伸ばして宝箱の中に手を突っ込んだ。
キラリと光るものを掴むと、シロガネの前に宝箱の中身が表示される。
「これは……剣?」
シロガネが手にしたアイテムの正体。
それは剣と鎧だった。
一体どんな亜空間がこの宝箱に広がっているのかさっぱり分からないが、シロガネは手に入れたアイテムを見た。
〈白銀の
分類:ユニーク装備(呪いのアイテム)
レア度:X
効果:ATK+X 装備変更不可
説明:白銀の名を冠した特別な装備。非常に軽い材質をしているが、硬度はとても高い。また、魔法を含む、一定以上の物理攻撃以外を受けることで、衝撃を受け流すことができる。
「〈白銀の剣〉。確かに軽い、おまけに丈夫」
シロガネは手にした剣を見て呟いた。
軽く剣身を叩いてみると、コツンコツンと軽い音が返る。
もちろん、これだと折れるのではないかと心配になった。
だがしかし、地面に叩き付けてみると、確かな衝撃がシロガネの腕に伝わる。
「おっ、これ凄い。いいかも、手にも馴染む。……それじゃあこっちは?」
シロガネはもう一つの装備を見る。
それは剣ではないが、如何やら防具らしい。
〈白銀の鎧〉
分類:ユニーク装備(呪いのアイテム)
レア度:X
効果:DEF+X 装備変更不可
説明:白銀の名を冠した特別な装備。非常に軽い素材をしているが、硬度はとても高い。防御力は非常に高く、魔法を含む、一定以上の物理攻撃を受け付ことで、衝撃を跳ね返すことができる。
「こっちも似てる。でも少し違う?」
剣は受け流す効果を持っているが、この鎧は跳ね返すことができる。
イマイチピンとは来ていないが、シロガネは面白いと思った。
もちろん、本当の意味で何が面白いのか、分かっていなかった。
「でも、なんかいい。……あれ?」
シロガネは剣を鞘に納めてステータスを確認した。
するとシロガネはニジナに教えて貰い、戦闘時の通知を切っていた。
そのおかげか、そのせいか、今になって気が付くと、レベルが上がっている。
一気にレベルが4にまで上昇し、ニジナには追い付かないが、それなりのものになっていた。
■シロガネ
性別:女
LV:4
HP:60/60
MP:35/35
STR(筋力):52
INT(知力):41
VIT(生命力):39
MEN(精神力):43
AGI(敏捷性):55
DEX(器用さ):40
LUK(運):41
装備(武具)
メイン1:〈白銀の剣〉ATK:X
メイン2:
装備(防具) 計DEF:X
頭:〈白銀の鎧兜〉:OFF
体:〈白銀の鎧上〉
腕:〈白銀の鎧腕〉
足:〈白銀の鎧下〉
靴:〈白銀の鎧靴〉
装飾品:〈白銀のフレアスカーフ〉
スキル(魔法を含む)
【見切り】【受け流し】【パルクール】【気配察知】
ユニークスキル
【白銀装甲】
「レベルアップは嬉しい。ニジナに追い付けた……でも、なんで?」
もちろんただ黙って納得はできない。
それもその筈で、装備していない筈の〈白銀〉シリーズが、勝手に装備されていたのだ。
「ん。ん、ん……外せない?」
しかも装備が何故か外せなくなっていた。
瞬きをしてシロガネは困惑するも、結果は変らない。
何故か装備が外せなくなっていて、自由に付け替えができなくなっていた。
「装備が変えられない? どうして、どうして、なの?」
シロガネにはとにかく装備が外せることを願って、タッチし続けるしかなかった。
けれど全部弾かれてしまい、シロガネの装備は変えられない。
いきなり白銀色の装備を纏わされると、流石の白銀も違和感を感じた。
「どうしよう」
シロガネは泣きたくなった。
珍しく、目尻から涙が浮かんだ。
せっかくニジナに誘って貰ったのに、これだと一緒に遊べない。
そう思って悲しくなると、遠くから足音が聞こえて来た。
「はっ、誰か来た!?」
「おーい、シロガネ―」
「に、ニジナ?」
シロガネは焦ってしまった。
顔色が悪くなり、汗を掻いてしまうと、暗闇の向こうから人型が現れる。
その姿形、背格好からすぐにニジナだと分かると、シロガネは固まってしまう。
「あっ、シロガネ。こっちも行き止まりだったんだね。聞いて、私の進んだ方に転移装置が……あっ」
「ニジナ、ごめん」
結局バレてしまった。シロガネは返す言葉を見失う。
俯き加減で頼りなく、せっかくの勝利が隠れてしまう。
そんなシロガネと対面し、ニジナに映るのは、装備を変えたシロガネの姿。
そして同時にニジナには分かる。
その異様な輝きを放つ装備が、只物ではないことに。ゆっくりと笑みが浮かんで、つい笑ってしまった。
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