第3話
・
溜め息をつきながらメガネを外し、モヤモヤする視界の中、脱衣所からバスルームへ。
クレンジングをしながら、足が伸ばせるほどには大きくないバスダブにお湯を溜め、化粧を落としたらざっと身体を洗って、溜まりきってないお湯に身体を沈めた。
あ、温泉の素入れるの忘れた。
ザバッと湯船から上がり、洗面台下にあるキャビネットからお肌をプルプルにしてくれる
ミルクプロテイン配合の粉を取り目分量でサラサラと振り入れる。
この、入れたてのところに入る瞬間がとても幸せ。
ちゃぽんと入って、湯気を思いっきり吸い込む。
いーにおい・・・。
少し経つと鼻が慣れてしまって匂いは感じなくなってしまうけど、少しだけとろみがついたお湯が肌をトゥルンと滑っていく。その感じも好き。
まあ、お肌を整えても触ってくれるヒトもいないのだけど。
31歳、独身。現在彼氏ナシ。
過去に付き合った人、一人。
・・・・・・・・・・・・実は、処女。
・・・別に、どうしても捨てたいってわけじゃないし?
なんて思ってはいるけれど、この年になって彼氏が出来ていざそういう雰囲気になった時どう言えばいいのか。
アラサーの処女捧げられるとか完全に重いでしょ。
はーぁ。
溜め息をつき、温まった身体を弱酸性ボディーソープで優しく洗い、もう一度ゆっくり温まってからあがる。
身体はピカピカに磨いた筈なのに、鏡を見ればどこか自信なさげな自分がいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます