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そんなわけで、優と喧嘩をしたんですけど。



「いや、どう考えてもお前が120%悪いだろ」

「やっぱそうなる?」

「逆にそれ以外何があるんだ?」


人外を見る目でもってこちらを凝視される。灰色に染めた短髪に、いかにも適当に買ったような白いシャツ。裾を余らせたスウェットから覗く右の足首を左の太ももに乗っけて、ポテチをパリパリつまみながらそう言われた。

あからさまに「お前がおかしい」というような態度。さすがにそこまでされると、私も傷つくのだけれど。


「えー。でも私、ちゃんと優のこと大好きだよ。何がいけなかったんだろ」

「本当にそう思ってンなら早く別れてあげろ。蓮水さんが可哀想すぎるから」


むむ、と眉間にシワを寄せて、大学に来る途中で買ったいちごのフラッペをじゅっ、と吸う。机に突っ伏すと、ゴツンと思っていたよりも鈍い音がして脳に衝撃がいった。痛い。


「何が悪かったと思う?」

「その発言が全てじゃないか?」

「議論を強制的に終わらせないでくれ」

「議論じゃねェよお前が一方的に何も分かってないだけだろ多分。ンでもってお前の想像力とデリカシーがゼロ以下なだけだよ。お前だけが何にも分かってないンだよ阿呆」

「ひどい」


そこまで言うことなくないかな。いや確かに、優は私の何かがお気に召さなかったんだろうけど。

あの子は、「あなたは私が本当に好きなんですか」というクエスチョンを投げかけてきた。それに対するアンサーはただ一つ、「YES」以外には何もない。嫌いなわけがないだろう。だから、


「だから多分、私の伝え方が悪かったんだと思うんだけど」


むくりと身体を起こしてそう言うと、心底呆れた顔でため息をつかれた。


「そうじゃないだろ」

「何が違うのさ」


だってお前、ストレートの人間だろ。

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