第18話 ずっと俺にして!

大きな扉の前で立ち尽くしている

いいんだよ…ね?

結局いいんだよね?

中はいつもの寝室。いつもの寝室なんだけど多分ルクレツィア居る

居なかったらそれはそれでめちゃくちゃ困るんだけど……


ソッと入ると足を下におろしてベッドに座るルクレツィアを見つけてホッとしてソッと隣に座ってチラチラ横目で見る

夜着って薄いなぁ

ふんわりとしてそうなお腹におへそが見えてる

「…あんまり見るな」

身体だけ向こうに向けて睨んでくる

かわいいなあ

ついついおへそあたりを触る

「そんなところ触るな…」

ほほぅ?

「どこっならっいーいのっかなぁ?ここかなぁ?」

「やめろ!!」

やめないっ!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

無事に事も済んで幸せだなぁってニマニマしながら

ルクレツィアの寝顔を見てる

今日は疲れただろうしよく寝てる

かわいいなぁ つい頭を撫でる

うんうん、かわいい


「もっとナデナデして」


え?誰?

コツッコツッ

頭、撫でられる範囲が狭くなった…

え……?


「だ、誰だ!?」

し、少年?いや、え?女の子なのか?

いやそれより、2本の黒い角に黒髪、白目が無くて全部黒い瞳…

「お前…誰だ!?ルクレツィアどうした!?」

「う〜ん…えっと…あ!バルダドゴス!」

「はぁあ!?」

え、魔王!?魔王なの!?いや、加護はバルタートについてるぞ?え、じゃあこれ何?

「ルクレツィアは!?」

「んー…寝てる」

「どういう事なんだ?」

「よくわからないんだけど…サラヤムお兄ちゃんにナデナデして貰いたかったら…ここにいた?」

魔王の魂かなんかが輪廻の輪に入ったって事なのか!?

え、もう全然わかんない

「ねえ、ナデナデして?」

とりあえず要求通りにナデナデする

嬉しそうな顔するなぁ

「えへへぇ。にして良かったぁ」

「こっちってなんだ」

えへへぇって言いながらルクレツィアに戻る

…寝てる…ソッと撫でてみると目を開けてきた

「ルクレツィア…?」

「…ん?なんだ眠れないのか?」

いつものルクレツィアだ。

「ふふ。子守唄でも歌ってやろうか?」

そう言って俺の頭を撫でる

「…紫月、私はこんなに幸せになれるとは思わなかった。まるで今までの事なんて夢だったんじゃないかと思うくらい幸せだ。

何回生まれ変わってもずっと一緒にいてくれるか?」

甘えるように言う姿にふとさっきの事が甦る

にして良かった

もしかして、他の誰かとの縁を結ぶ選択があったのか?

「ツィア!もちろん次もその次ももっともっと次も俺にしてね!?ずっと俺にしてね!」

良かった!こっち選んでくれて良かった

もしかしたら魔王の強い力があってあんなに強いのかもしれない

それでもそんなの使わなくても俺のツィアは俺が守るから

魂は魔王でも何も関係ない

そんな力使わなくても幸せにする


元不細工姫でも元魔王でも構わない。

ずっとずっと俺の姫

まだまだ元○○を増やして一緒に輪廻していこうね!





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元魔王に恋するモブオタ貴族 @den8

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