第7話 ただいま

アパートの中は空っぽだ


裏口に見える扉の向こうには入口と同じ様な廊下があり、端の階段を下りると地下鉄のホームになっている


市内各所にあるアパート等と地下鉄の各駅が繋がっているのだ

やってきた地下鉄に乗り込むとみんなお行儀よく座っている


全員終点まで乗っていく

うちは最寄りの1高だからすぐに終点だ


終点で降りると一番奥には王宮が見える


乗り物で家まで帰る者もいるが、どうせ鍛えなければいけない

走っていく


王宮の手間を曲がり大きな屋敷の扉まで走る

「ただいま!」

「お帰りなさいませ」

すぐに使用人が出迎える


ここが我が国御三家筆頭 城門前しろまえ紫月しづきの館である

ノブレス・オブリージュにのっとり色々あって

ただ一人になってしまった

17歳当主 紫月の館である




「あーくそ。祭で楽しみたかったなぁ」


「軍兵は奥で見られるけど祭限定グッズ買ったりたこ焼きかったりしてみんなと楽しみたかったなぁ」


グチグチと言いながら館内の練兵場へ移動して

今日も祖の双刀ふたがたなの八一が遺した家得技能を極めるべく二刀を振るのであった


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