第3話 平和と幸せ

頭を斬り落とすと、そこから茶色い濁った飛沫をあげて魔王の身体は崩れ落ちた


ゴルダが討伐を報告するとすぐに軍兵が派遣され

その身体をこれ以上出来ないまでに焼き尽くし

灰は細分化されて廃棄された


オルバトスの姿はどこにもない


「大隊長、頭はどうしますか?」

「角を片方だけ中央教会へ飾り、残りは身体と同じ様に…とのことだ」

「角を片方だけ…?」

「俺は知らないが、魔王をやっつけたぞって事で魔除けになるらしい。」


集まっていた魔物たちもどこかに消え、辺りには魔王が荒らした土地とまだ荒らされていなかった土地が日に照らされている


荒らされていなかった土地からは鳥の声が聞こえ

地獄と現世の間に立っているような感覚に気味の悪さを感じながら復興作業の指揮に入る事にした



しばらくして廃材や遺体などの処理が済んだ頃

ゴルダは王宮に呼ばれた


オルバトスの言ったとおりに 英雄 となったゴルダは爵位と末の(と言っても年齢ではなく階級的に)姫を賜る事になったらしい


呼ばれた時には決定しておりゴルダとしては頭を悩ませる話であったが、決定したのならと

平和で幸せな家庭を築く決意をした



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