第13話  「サッカーってのはねボールを持ってる相手には何をしても反則にはならないんだよ」 「サッカーとは、レフェリーがホイッスルを吹かなければ反則ではない」「こんなの3Dサッカーじゃない!」


  「へい、パス」


 ボールが、僕にパスされる。


  「知ってるかい」 


 「サッカーってのはね」


 「ボールを持ってる相手には何をしても反則にはならないんだよ」


 !?


 「さっきの不意打ちジャンピングキックは反則じゃないというのかっ!?」


 「美少年、君はあまりサッカーに詳しくないようだな」


 「教えてあげよう」


 「サッカーとは、レフェリーがホイッスルを吹かなければ反則ではない」


 !!!


 いつの間にか出現しているレフェリーは、笛を吹いていない。


 「これが」

 「これが3Dサッカーかよ」


 「ああ、これが3Dサッカーなんだ」


 「こんなの3Dサッカーじゃない!」


 僕は、叫んでいた。


 「ダブル両挟みスライディング足殺し」

 「ダブル両挟みスライディング足殺し」


 ボールをパスされた僕に、2人の合体技ダブル両挟みスライディング足殺しが、僕の足に向けられる。


 これは、ガードできない。


 避ける事もかなわない。


 僕の足は、ダブル両挟みスライディング足殺しの餌食になった。


 「うわぁぁぁぁ」


 「レフェリー!」


 「ボールを持ってる選手に向けてのスライディング行為なので、反則ではありません」


 「レフェリー!」


 僕は、再びレフェリーを叫び呼び、膝をついた。

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