第9話 異世界転生したので顔面にいれて顔面にもらって、異世界堪能してます。異世界の喧嘩って楽しいですね

 

 こちらから男の子の背後に周り込み、Aボタンの弱キックから、ジャンプ強パンチに繋げます。


 「顔面もらいー」


 「っつう」


 ステータスなんて、関係ありません。


 やっぱり、喧嘩は素手で顔面に拳入れてこそです。


 「蹴ってばかりいないで、貴方も顔面殴ってきたらどうかしら」


 「ロリっ娘の顔は殴るにしのびないとでもいうのかしら」


 男の子は、しゃがみ強パンチを私の顔面に向けて打ってきます。

 

 「おら、マゾガキ」

 「遠慮せずくらえや」


 私は、遠慮なくしゃがみ強パンチを顔面にもらいました。


 「本当に、遠慮なく顔面にもらうマゾロリガキがいるか」


 ぎゅんぎゅんぎゅん。


 ぎゅんぎゅんしています。


 これで、これでいいのです。


 考えて、数字なんて見てゲームをするなんて、喧嘩するなんて、私らしくないのです。


 セレクトボタンを押すと、自キャラが挑発行動を取ります。


 お尻を突き出し、お尻をぺしぺししていますね。


 挑発中は、私のゲージが増えていきます。


 挑発は、舐めプではなく、ちゃんと意味があるのです。


 「遠慮してるのは貴方じゃないかしら」


 「ほら、今私のキャラは無防備に挑発中よ」


 「お望み通り、顔面に入れてやるよ」


 宣言通り、しゃがみ強キックが、私のキャラの顔面に向かってきました。


 挑発中の私のキャラは、どう操作してもしゃがみ強キックを顔面で食らうしかありません。


 脳が焼けるような痛みね。


 ジャンプ強キックを入力します。


 男の子の顔面に、ジャンプ強キックが入ります。


 「っだらぁ」


 「顔面殴るだけじゃだめねやっぱり」


 「顔面に蹴りもいれないといけないわね」


 「だましたみたいで悪いわね」


 「かまいやしねぇよ」


 男の子も、強キックを顔面に打ってきます。


 方向キーを素早く二回入力をし、キックに向けてダッシュします。


 額を、男の子の足の甲に当てます。


 「あらあら、まただましたみたいかしら」


 「私、顔面以外にも攻撃してるわね」


 「かまいやしないってんだろ」


 今のは、私の方がダメージ食らってるんですがね、

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