第7話「多勢に無勢だな」「助太刀させてもうらよ」「貴方、美少年ね」「本当だ」「こいつ、美少年だぜ」


  ー---裸拳で人を殴りなれた青年視点ー---


 !なんだ、この圧は。

 

 威圧じゃない。


 抗おうとも思えない。


 このロリっ娘に委ねたくなる。


 それは、不思議とも思えない。


 「おじさんを頼んだわよ」


 俺は、おじさんを背負った。


 おじさんをお姫様だっこは勘弁して下さい。


 そんな性的嗜好は俺にはありません。


 おじさんを背負ったまま、ロリっ娘を1人置き去りにして、逃げ出していた。


 なんだ、これは。


 ロリっ娘を連れて逃げるはずだったのに、ロリっ娘を1人置き去りにして、俺は逃げ出してるんだ。


 この後、当然、ロリっ娘はお金が欲しそうな3人組に怒りを向けられるだろう。

 

 けれど、不思議でもおかしい事でもないんだ。



 ー---ロリっ娘視点ー---


 「おじさんを頼んだわよ」


 青年は、おじさんを背負い、逃げ出す。


 よし、これでいいわね。


 「おいおい、何してくれてんのロリっ娘」


 「僕達、あのお腹の緩んだおじさんに用があるんだよ」


 「私達の邪魔したって事で、覚悟できてるんだろうな」


 「ええ」


 「お金ももう払ってもらったからね」


 「覚悟完了ってことだね」


 「ロリっ娘1人で私達3人にボコられても」

 「私達は悪くないからな」


 「ええ」

 「それでかまわないわ」


 確かに、彼らを邪魔したのは私です。

 なら、彼らは悪くないでしょう。


 「ロリっ娘1人相手に男の子が3人も揃って」


 「多勢に無勢だな」


 「助太刀させてもうらよ」


 12歳~13歳ぐらいのすらりとした少年が、竹刀を持って乱入してくる。


 「貴方、美少年ね」


 「本当だ」

 「こいつ、美少年だぜ」


 「君、美少年だね」


 「君は美少年だな」


 この場にいた4人が、彼を美少年と認めました。


 「ああ、僕は美少年だ」


 美少年も、自らを美少年と認めました。


 「それならば、良しね」


 「ああ、文句なしだぜ」


 「GAME」


 「GAME」


 「GAME」


 「GAME」


 「GAME」


 この場にいた私達5人は、GAMEの意思を示しました。


 私達5人はコントローラーを握っていました。

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