第4話「逃げるぞロリっ娘」「こんな街から出るんだよ」「待ってくれ」「そのロリっ娘を連れて行かないでくれ」


  「おい、ロリっ娘」

 「受け取ったもん返しな」

 「それでおさまるだろ」


 「おじさんがお金を払ったのは本当よ」

 

 「でもね、私が直接受け取ったわけじゃないから」

 「返そうにも私はお金もってないのよ」

 

 「!」

 「間に、どこか入ってんのか」

 「正気かよ」

 「こんなシノギやってる組織があるのか」


 確かに、居酒屋が間に入ってますね。

 私もおじさんも、嘘は言っていません。


 「っあああ」

 「どうすっかな」

 「俺1人で組織相手にするとか」


 どうやら青年は、エンコーおじさん1人なら正義感で動いても。

 組織だと思うと、おじけづくようです。

 まぁ、おかしな事でも恥ずかしい事でもありませんね。


 「しゃあねぇ」

 「逃げるぞロリっ娘」

 「こんな街から出るんだよ」


 「待ってくれ」

 「そのロリっ娘を連れて行かないでくれ」


 おじさんが、青年を止めます。

 どこか、意思を感じます。


 「へぇ」

 「おじさん」

 「意思が見えたぜ」


 青年も、おじさんから意思を感じたようです。


 「俺もおじさんも同じ男の子だ」

 

 「性癖は理解できねぇが」

 「惚れた女の子を連れていかれちゃ」

 「刀を納める鞘がない」

 「それは俺も分かるぜ」


 「抜きな」

 「覚悟はあるんだろ」


 「悪いが、覚悟はないんだ」

 「こうするしかないってだけさ」


 おじさんと青年が、コントローラーを抜きました。


 「GAME」

 「GAME」


 !この空間は、この威圧感は。

 前世での記憶がなくても、私が前世はどんな世界に生きていたか。

 それが分からなくても、これは分かります。

 

 原始の頃より続くGAMEが始まります。


 モニターが現れる。


 【GAME START】


 画面に移ったおじさんと青年が動いています。


 3Dフィールドを360度動き回れるゲームですね。


 青年が攻撃を仕掛けています。


 若くて、大柄でもありません。


 スタミナが尽きる事もそうそうないでしょう。


 見よう見まねといったジャブのような速めのパンチと、力を入れたパンチ。


 フォームは一応あるものの、足のどこで蹴るかまでは意識していない、主に腹に向けた蹴り。


 技術はまったくの野生といったわけではないものの、見よう見まねですね。


 しかし、裸拳で人を殴りなれているようにも見えます。 


 拳も、日常的に人を裸拳で殴る事で強引に鍛えられてますね。


 きっと、今まで裸拳で人を殴って、拳を傷つけた事もあるでしょう。


 見よう見まねながらも、どこか、拳を傷つけないように、経験で配慮しながら殴っているように見えます。

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