第3話「男の娘も無理なのよ私」「いきなりおじさんみたいな分かりやすいぐらい汚らしいおじさんとか無理無理の無理」「TSして出直してきても無理」


  「そのロリっ娘の代金、俺が払うよ」

 「それでいいだろ」


 後ろから、少しお腹が緩んでいる汚らしいひげ面のおじさんが声をかけてきました。


 「かまいませんよ」

 

 「じゃ、ロリっ娘、そういうことだから」


 おじさんが、私の分まで会計を済ませます。


 「当店は、児童売春には一切関与していません」


 かわいい猫型配膳ロボットが、かわいくない言葉を使います。

 

 「ご利用ありがとうございました」


 猫型配膳ロボットが、押し出すように、私達を店外に追い出す。


 まぁ、そりゃあそうでしょうね。


 この異世界にも警察はあるようですし、やっかい事がごめんでしょう。


 店外に出ると、何やら見慣れた光景がありました。


 ホスト、キャバ嬢、風俗嬢、サラリーマン。

 フリーター風・労働者風・怪しげな人達。


 繁華街というやつですね。


 「さぁロリっ娘、後はわかるな」


 「わからないこともないけれど」


 「腹の緩んだ汚いひげ面のおじさんなんてまったく好みではないので」


 「お断りします」


 「私は、美少女が好みなんです」


 「私は、レズです」


 「そうか」

 「それはお前さんの自由だ」

 「否定はしないさ」

 「多様性やらの時代だからな」


 「だが」

 「やる事はやってもらおう」

 

 「いや、無理無理」


 「男の娘も無理なのよ私」


 「いきなりおじさんみたいな分かりやすいぐらい汚らしいおじさんとか無理無理の無理」


 「TSして出直してきても無理」


 「傷つくなぁ」


 「多様性の時代だぞ」


 「おじさんはいくらテレビでたたき台にしても良い時代じゃないんだぞ」


 「おい、そこのおじさん」


 青年がおじさんに声を掛けてきました。


 「なんだい」


 おじさんは同様しています。

 

 お腹も震えています。

 うわぁ。


 「おじさん、嫌がるロリっ娘に何しようってんだ」


 「エンコーおじさんってのも気にはくわないが」

 「俺も正義の味方ってわけじゃねぇし」

 「合意の上で少女がやってるんなら」

 「それまで止めたりしねぇよ」

 

 「けどよ」

 「そのロリっ娘は少女とおさめるには幼い」

 「合意の上とも見えないし」

 「エンコーおじさんって言葉にもおさまらねぇな」

 「ロリっ娘誘拐おじさんか」


 青年は、私を助けてくれるようです。

 

 「ご、誤解だ誤解」


 「皆そういうんだよ」


 「まぁいいや」

 「うせなおじさん」

 「次見かけたら」

 「こんなおさめ方じゃすまないぜ」


 「いや、そうはいかない」


 「あぁ?」

 

 「もうお金は払ってるんだ」


 確かに、おじさんは嘘はついてませんね。

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