第14話
「イフリートを倒すって、マジで言ってんのか!?」
「当然だ。俺は全ての機構魔獣を倒すために旅をしてるんだからな。キャンサ、お前もレストアージ戦闘隊なら対機構魔獣の訓練もしてるんじゃないか?」
「あぁ、万が一に備えてやってるが、イフリートを倒すって発想はなかったな。機構魔獣の中でもかなり危険な部類らしいし」
「そうなのか?聞いた話だと、北極の氷の10分の1が溶かされたらしいが…」
「いや、ヤバいだろ。10分の1とはいえ北極だぞ。めちゃくちゃデカいんだぞ!」
「でも、それがお前らの国にいるんだぞ。怖いとは思わないのか?」
「怖ぇに決まってんだろ!?だけど機構魔獣と戦って勝てるわけがねぇんだ。無駄な犠牲者が出るだけだ。それなら、侵略されるまで楽しく生きてた方がいいだろ。イフリートと戦うなんて自滅行為だ」
「自滅行為…そうかもな。心配してくれるのはありがたいが、これは俺の意思で決めたことだ。イフリートは倒す。それまでここで準備をしておくんだ。じゃあな、おかげでウリエルの実力を確かめられた」
「おい、待てよ!」
立ち去ろうとすると、キャンサに呼び止められた。
「どうした?」
「お前は強い。でもイフリートと戦って勝てる保証もない。だから、俺たちが協力してやる」
「一緒に戦ってくれるのか?」
「ちげーよ。俺が戦ったら速攻で殺されちまう。お前とお前のレストアージを強化してやるってことだ」
「俺とウリエルを強化?」
―――――――――――――――――――――
「てなわけで、キャンサとシグナが俺の訓練を手伝ってくれることになったんだ」
「そうですか。それは心強いですね」
俺はホテルに戻った後、今日のことをペガスに話した。
どうやら、サンダーソニアは比較的小さい国だから人脈が広い人が多いようで、2人はペガスとも知り合いなようだ。
「それで、訓練はいつからです?」
「早速、明日からだ。いつイフリートが襲ってくるか分からないからな」
俺は部屋に戻った。
模擬戦で疲れたので、今日はすぐに寝ることにした。
そういえば何か忘れてるような…?
「飯食ってねぇじゃねぇか!」
思い出したら、めちゃくちゃ腹減ってきたな。
なんか食いに行くか。
近くに飲食店がなかったので、その日はホテルの近くのコンビニで軽食を買うことにした。
― 第15話に続く ―
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