第13話

「そうか?ならもっといくぜ!」


ラファエルは、再度ロケットパンチを放ってきた。

だが、スピードはウリエルの方が上だ。


俺は攻撃を躱し、ラファエルに連続パンチを食らわせる。


しかし、ラファエルは微動だにしない。

流石はゴーレム仕様といったところか。

まさに鉄壁の防御だ。


「だが、剣撃ならどうだ!」


大剣でラファエルを斬りつける。

ラファエルの分厚い装甲が破壊され、崩れ落ちていく。


「よし、効いてるな!」

「やるじゃねぇか、でも隙ありだ!」


俺が様子を窺っている隙に、ラファエルのパンチが炸裂した。


「くっ…!」


咄嗟に大剣でガードしたが、一撃が重い分、反動も大きい。


「まだまだぁ!」

「うおっ!」


今度はロケットパンチが直撃。

ウリエルは吹っ飛ばされる。


「お前、強いな」


「当たり前だ。俺はサンダーソニアのレストアージ戦闘隊の隊長だからな!」


「隊長なのか?すごいな。なら、お前に勝てば俺がサンダーソニア最強ってことだろ?」


「そうだな。譲る気はねぇけどな!」


ラファエルはアームを伸ばして、掴みかかってきた。

やはりすごい力だ。

離脱は困難だろう。


「しょうがない。アレをやってみるか」


俺はウリエルのエンジンのリミッターを解除する。

すると、ウリエルは爆発的な加速力を見せる。


即座にアームを振り払い、連続で斬撃を食らわせる。

装甲をボロボロにしてやった。


「なんだと!?ラファエルの装甲が…!」


「食らえ!」

大剣がラファエルを貫く。

ラファエルは戦闘不能となった。


「勝者、リエス!」

「よし、勝ったぞ!」

「まじかよ…俺が負けるなんて…」


キャンサはとても悔しがっていた。

隊長というくらいだからな。

それなりのプライドがあるのだろう。


「こら、大の大人が悔しがらない!それにアンタが挑んだ勝負なんだから負けても文句言わない!」


「そうだな、俺の負けだ。お前は強い」


「案外、あっさり負けを認めるんだな。でもお前も強かった。いい勝負ができて良かったぞ」


激闘の印に、俺たちは固い握手を交わした。


「ところで、お前はカンパニュラから来たんだよな?旅の目的でもあるのか?」


「あぁ、このサンダーソニアに住み着いている機構魔獣イフリートを倒しにな」


「「はぁ!?」」




― 第14話に続く ―

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