第12話
「あぁ、いきなりすまねぇ!俺はレストアージ「ラファエル」のパイロット、キャンサだ!」
キャンサと名乗る男の後ろには、白いゴーレムのようなレストアージがあった。
これはラファエルっていうのか。
「そうか、お前もレストアージのパイロットなのか」
「おう、機構魔獣フェンリルを倒した奴がこの街に来てるって聞いてな、どんな奴がパイロットなのかと気になったんだ。そしたら、こんなガキなもんだからビックリだぜ」
「ガキ…」
「実際そうだろ?今だって俺の気配に反応できなかった。レストアージのパイロットなら、このくらい対処できて当たり前だぜ」
「それは否定できないな。それより、そろそろ離してくれないか?」
キャンサはがっしりとした大きい体つきをしているからかなり重い。
「おっと、すまんすまん!それで、ここに何か用か?」
「俺のレストアージを一旦ここに預けておこうと思ってな」
「そうだったのか。それは別にいいが、せっかくの機会だ。俺と一戦交えてみねぇか?」
キャンサが模擬戦を提案してきた。
余程、ウリエルが気になっているのだろう。
でもウリエルの実力を確かめるには丁度いい。
この勝負受けてみるか。
「分かった、やろう」
「よし、そうと決まれば早速やろうぜ!」
―――――――――――――――――――――
その後、キャンサは1人の女性を連れてきた。
「アタシはシグナ!キャンサのレストアージのメカニックさ。今日は審判役だ」
専属のメカニックがいるってなんかいいな。
「ルールは簡単。相手を戦闘不能にした方の勝利だ」
「それだと、レストアージに支障が出るんじゃないか?」
「安心しな。アタシがすぐに直してやる!」
俺はウリエルに乗り、キャンサはラファエルに乗る。
準備万端だ。
「準備はいいか?よーい、はじめ!」
シグナのかけ声で模擬戦が始まった。
「行くぜ、リエス!」
キャンサのラファエルがこちらに走ってくる。
ちなみにラファエルの装備だが、相手を押さえつけて拘束するのに特化したであろう巨大なアームが特徴で、大砲や剣などの武器は見当たらない。
遠距離攻撃はできないのか?
それに、スピードもウリエルと比べるとかなり遅い。
これは案外簡単に勝てそうだ。
俺はラファエルに向かって一直線に突っ込む。
すると―――
「おらぁっ!」
「うわっ!危ねぇっ!」
ラファエルの両アームがすごいスピードで飛んできた。
ロケットパンチってやつか。
すごい威力だ。
ギリギリで躱せたが、当たればかなりのダメージだっただろう。
「武器がないと思ったらこういうことか」
「どうだ?驚いただろ?」
「あぁ、すごいな。でも、負ける気はない」
― 第13話に続く ―
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