第11話

「引き受けてくださるのですか?ありがとうございます!」


「ところで、そのイフリートって前に北極の氷を溶かしたって奴だよな?なんで今更サンダーソニアにいるんだ?」


「それが、戦闘員がイフリートを撃退した方向にこのサンダーソニアがあったのです。ここに逃げ着いた結果、住処としてしまったのです」


「そうか、今のところサンダーソニアがイフリートから受けた被害はないか?」


「はい、ございません」


「なら良かった。でも早く倒さないと国民の恐怖と不安は取り払えないよな」


「以前、グリフォンを討伐した際に国の戦力もかなり落ちてしまいました。さらにイフリートはグリフォンより強いと思われます。今の我が国にはイフリートを討ち倒す力はありません。どうかサンダーソニアを守って下さい!」


「あぁ、必ず守ってみせる。…でもその前に部屋に案内してくれないか?レストアージの操縦も結構体力使うんだ」


「は、はい!こちらへどうぞ!」


俺はペガスに部屋まで案内してもらう。

なんてことはない普通のホテルの一室。

少し狭いが綺麗に掃除されており、十分に休めるスペースもある。


ペガスは窓の方を見た。

「ところで、あちらに見える赤いレストアージは…?」

「あぁ、俺のだ」


そういえばウリエルを置きっぱなしだ。

宿泊中はどこに置いておけばいいんだ?


「この街にレストアージを取り扱っている工場や店はないか?」


「工場は近くにありませんが、レストアージの訓練施設でしたらございますよ」


「そうか、ありがとう。一旦そこにコイツを預けてくる」


―――――――――――――――――――――


「ここか」


俺はペガスに言われた通り、レストアージの訓練施設にやってきた。


周囲の建物と比べると圧倒的にでかい。

流石レストアージを取り扱ってるだけあるな。

よし、入ってみるか。


中に入ってから少し廊下を歩いていくと、レストアージの訓練場に着いた。


「とんでもなく広いな」


レストアージ同士での模擬戦が可能なほど広い空間に、何体ものレストアージが並べられて設置されていた。


しかし、人は見当たらない。

困ったな。

勝手にウリエルを置くわけにもいかないし。


「おーい、誰かいないか?」

誰かいないか呼びかけてみる。

すると―――


「お前が噂のリエスか?」

「え?」


誰かいる。

でも、どこだ?


「うわっ!?」


気付いた時には、俺は誰かに押さえつけられ、うつ伏せにされていた。


「なんだお前、こんなめちゃくちゃ強そうなレストアージ持ってんのに、肝心のパイロットはこんなもんか」


見上げると、20代後半〜30代前半くらいに見える大男がいた。


「お前…誰だ?」




― 第12話に続く ―

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