第6話

フェンリルは、大砲をまるでマシンガンのようにすごいスピードで連続で撃ってきた。


普通なら、これで街1つは滅びる。


でも、今の俺なら…!


このレストアージは、スタイリッシュな見た目ながらも華麗な素早い動きで大剣を振り回し、砲弾を全て斬っていく。


ドゴォン!

ドゴォン!


砲弾の爆発音が空に響き渡り、空は赤く染まる。

これだけで機構魔獣の恐ろしさが分かる。


でも、それを簡単に対処できるこのレストアージの性能の方が驚きだ。


いける。

コイツなら!


フェンリルの動きを見切り、レストアージを急加速させ、突っ込んでいく。


そして、連続で斬りつける。

砲弾を弾く程の防御力を誇るはずの装甲は剥がれ落ち、フェンリルの体も切り傷だらけで大量に血が出ていた。


「グォォォン!」

怒りを露わにしたフェンリルは、肩の大砲ではなく、口元にエネルギーを溜めた。

さては特大ビームだな?


機構魔獣の放つ技の中でビームは特に危険だ。

それで、何万人もの命が奪われたことか…


フェンリルは俺目掛けてビームを放つ。

普通に食らえば、木っ端微塵だろう。


だがそんなビーム、この剣で真っ二つにしてやる。

ビームを剣で受け止め、斬りながらフェンリルの方へ突撃する。


「グォォォォ!」

「うぉぉぉぉ!」


ぐっ!重い!

なんて威力だ。

だが、間違いなくこっちが押してる!


「はぁぁぁぁっ!」


ビームを叩っ斬り、空高く飛び上がる。

大剣を両手で構え、急降下する。


そして、フェンリルの脳天目掛けて思いっきり振り下ろす。


「これでトドメだぁぁぁぁぁぁっ!」


ズドォォォォォン!


フェンリルの頭は真っ二つに割られ、目から光を失う。

マシンとしての機能も完全に停止した。


「やった…倒した…倒したぞ!」


「すげぇ!すげぇじゃねぇか、リエス!」

「ウルス!」


「すごかったぜ!ヒーローみたいでカッコよかった!」

「ヒーロー?それは嬉しいな」


「なぁ、折角だしコイツに名前付けてやれよ」

「名前?どうした急に?」


「だって、今まで誰一人としてコイツを動かせなかったんだ。でもお前はそれを動かした。これはもうお前の相棒と言っていいだろ!」


「そうか、名前か…そうだな…」


天使の赤い羽根に、燃え盛る炎を彷彿とさせる大剣、悪を討ち払う騎士。


よし、決めた!


「ウリエル…お前の名前はウリエルだ!」

「ウリエルか!めっちゃカッコいいな!」


「よろしくな、ウリエル!今日からお前は俺の相棒だ!」




― 第7話に続く ―

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