第3話 

その後、辿り着いた隣の国であるカンパニュラに住んでいる。

今はその国の工場で働いているというわけだ。


「ウルス、お前はずっとこの国に住んでるんだよな?」

「あぁ、そうだぜ」


「この国の機構魔獣による被害はどのくらいだったんだ?」

「こっちもかなりの人間が殺されたけど、お前の出身国のアマリリスほどの被害はないな」


「そうか…やっぱりか」

アマリリスは、俺以外の人間全員死んだらしいからな。


俺はもう一度、レストアージを見る。

「ところでコイツはどこで見つけたんだろうな?」

なんせ俺が就職した時には既にここにあった。


「さぁ?どこで見つけたのか、なんで動かないのかもさっぱりだ」

「考えたって分からないか」


俺たちは仕事に戻ることにした。


「おいガキ共、どこほっつき歩いてやがった」 

「げっ、工場長…」

「げっ、てなんだ。げっ、て」


工場長は社員から嫌われている。

いわゆるパワハラ上司というやつだ。


他人の仕事にケチはつけるし、自分の言う通りにしないとキレるような性格だ。


さらに、自分は仕事をよくサボるから、残りの仕事を俺たちでやる羽目になったりする。

しかも、残業時間の割に給料が合わない。


結構、ブラック企業なんだよな…。


「んじゃ、俺は今日これで上がるから後はお前らでよろしく」


「はい?何かあるんですか?」


「あ?何でもいいだろ。絶対外せない用事なんだよ。あんま詮索すんな」


工場長は帰った。


「絶対サボりだよな…」

「最悪だ、また残業じゃねぇか」


―――――――――――――――――――――


夜、俺とウルス、そして他の社員が残業している。

ちなみに工場長だけいない。


こんなブラック企業、本当は辞めたいんだけど、生活には十分なお金はまだ稼げてない。


それに、ロボット関係の仕事から離れてしまったらレストアージに乗るという夢を諦めてしまうような気がして嫌だ。


仕方ない。しばらく社畜生活続行だな。


「疲れたな。俺ちょっと休憩」

「あ、俺も行く!」


俺とウルスは、社員の中でもかなり若い方であるため、経験も浅い。


仕事にはまだ不慣れなため、度々休憩を挟みながら作業を頑張っている。


「はぁ〜!やっぱ肉体労働の後に飲むジュースはうめぇ!」

「でも、この後も肉体労働続行するんだよな」

「悲しいこと言うなよ…」


ジュースを飲み終わった俺たちは仕事場に戻ろうとする。

廊下を歩いていると―――


「またお前らサボってんのか?」


工場長とすれ違った。




― 第4話に続く ―

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