第4話







 拷問室に入って来たのは一人の男。


 プラチナブロンド色の髪に紫と緑の瞳を持つオッドアイの、何となくグレンヴァルト様とアーデルヴェルトに似ているけどアーデルヴェルトより柔らかい雰囲気のイケメンだったわ。


 レオンハルト?


 えっ?


 アーデルヴェルトの弟?


 町で医者をしている?


 久し振りに里帰りしている姉のマリーローズと兄夫婦のご機嫌伺の後に両親の元に行くつもりだったが、母の命を狙っている間者の顔を見たい為だけに拷問室に立ち寄っただと!?


 そんな奴、ゲームではモブどころか名前すら出てなかったわ!


 モブどころか名前すら出ていないって事は、夢女の妄想で出来た原作の二次創作に出てくる想像上の子供じゃない!!!


 そんな二次創作のオリキャラがあたしを引き取りたい?


 セレスティの前世って夢女だったの?


 痛いわ~ww


 妄想で創作していたオリキャラを本気で作っちゃうセレスティってマジ痛いわ~ww


 そんな事を想っているあたしを無視してレオンハルトと兵士達の話はとんとん拍子に進んで行って、最終的にあたしはレオンハルトに引き取られる事になったわ。


 ・・・・・・創作オリキャラに引き取られるのは痛いけど、事情を話せば父親であるグレンヴァルト様にあたしを妃にするように話してくれるかも知れないしね。


 そういう経緯があってレオンハルトに引き取られる事になったあたしだけど・・・・・・そんなあたしに待っていたのは、より悲惨な未来。


 頭と身体を開きにされた状態で拘束されているあたしは、レオンハルトが開発した新薬と治癒魔法の実験台としての日々を送っている───。



 あたしはエレメントアースのヒロインで聖女。


 そして攻略対象者達の悩みを解消して彼等に愛されるあたしは、グレンヴァルト様の妃になる女よ・・・。





※真莉愛の事はグレンヴァルトの耳にも入っているのですが、自分は位を退いているので息子に任せました。

グレンヴァルトが息子に位を譲ってなかったら、真莉愛を訓練用モンスターとして兵士達に倒されても蘇るという無限再生な生物にしていました。

ちなみにどんなモンスターとして再生するのかはランダム。




本編では語られなかった事

※セレスティは日本人で子育て経験もある主婦にして貴腐人、古のオタという経歴のある転生者ですが、日本人として生きていた時の記憶がない女性です。ちなみにこのゲームはプレイした事がありません。

セレスティとして転生した彼女は公爵令嬢で見た目だけではなく淑やかさや教養・礼儀作法などが王太子妃として相応しいものだったので候補として名が挙がっていたのですが、オタと貴腐人の業から逃れられなかったのか、転生しても立派な腐女子でした。

こらあかん!不治の病や!と思った両親はセレスティを、とある修道院に入れました。

その修道院の名は【薔薇の修道院】

聖女候補として名が挙がるレベルの魔力があるのに男同士の恋愛に夢中になっている令嬢が入る修道院です。

修道院での生活は家事全般+オークのように食べられるモンスターを狩って食料確保+栽培した薔薇を化粧品やお菓子等に加工したりして売る+週に一度の礼拝堂で説教+男同士の恋愛の物語を創作して発表しあう事。

修道女として、同時に高い魔力が原因で聖女になってしまったセレスティ(17)は日常生活+説教+サバイバル+販売+BLの創作活動という生活を送っていたのですが、ある日グレンヴァルトと再会します。(この二人の初めての出会いはセレスティがロリの頃)

ゲームでは心が壊れてしまうセレスティですが、現実は人間である事を捨ててグレンヴァルトと共に生きる道を選択しました。

その時にグレンヴァルトはセレスティに新たな名前を与えました。

光を意味するリュミエールです。グレンヴァルトにとってセレスティは光だから・・・。

以降、彼女はリュミエールと呼ばれる事になるのですが、人間だった時の名前を知るのは家族のみ。

家族しか知らないはずの名前を真莉愛が知っていた。だからアーデルヴェルト達は、真莉愛がどこかの国のスパイでセレスティことリュミエールの命を狙っているのではないか?と疑った訳です。

ヒロインがエレメントアースにトリップするよりも数年前に娘夫婦が孫を連れて里帰りをしていました。

孫を見てもう一人くらい子供が欲しくなってハッスルした結果・・・出来ちゃいました。ヒロインがエレメントアースにトリップした時のリュミエールはご懐妊中だったりします。

マリーローズも腐女子で美青年×美少年の絡みが好き、セレスティことリュミエールは美青年×美少年も好きだが美形がデブ親父やマッチョに凌辱されるとか中年親父による快楽拷問とか、マッチョ×美形、美形×マッチョも好きという娘と比べたらBLの上級者(?)です。

母と娘は喧嘩するけど、主な原因はカップリングだったりします。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ゲームと現実の区別が出来ないヒドインがざまぁされるのはお約束である(仮) 白雪の雫 @fkdrm909

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ