エピローグ、そして…​?

「…​おしまい」

いつの間にか話は終わっていた

子供たちは小さな手で拍手をする

旅人は深く一礼をすると、紙芝居を片付け始めた


「ねえねえお姉ちゃん」

小さな女の子が旅人の足元まで来た

「このお話って、これでおしまい?

続きがあったら嬉しいなって思うんだけど…​」


旅人は少し考えて、その後にっこりと笑う

「そうだねぇ、続きはまだ考えてないんだ

でも、君が続きを見たいなら作ってあげるよ」

「ほんとに!?」

女の子が目を輝かせる

「本当だよ、じゃあ待っててね」


旅人はいつの間にか紙芝居をしまって、荷物もまとめていた

「絶対、絶対だからね、私待ってるから!」

女の子はじっと旅人を見ていた


「…​うん、絶対ね」

旅人はそう言うと踵を返して歩き出す


「たびびとさんばいばーい!!」

「また紙芝居きかせてねー!」


子供たちが町を離れていく旅人に手を振る

「…​…​…​」

旅人は振り返って手を振り、また歩み出した

「続きか…​」

それは先程の元気な声ではなく、少し困ったような弱々しい声だった

被っていたフードを脱ぐと、長い黒髪と半透明の肌が見えた

「どうやってをハッピーエンドに持っていこう…​」







海淵というどん底から空を目指して生きてきた少女

ある日、彼女はひとつの大きな夢を叶えた

そして同時にまたひとつ、大きな夢を持つことになった

しかし、ある影が忍び寄っていることを彼女はまだ知らなかった

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CREEP UP TO UNKNOWN 海底の海月 @uminosokonokurage

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