第7話 別れと旅の再開
少女は目の前の人物に自身の記憶を見せた
「…わたしね、そらをみたいんだ!」
「…お願いお母さん、私どうしても青空を見たいの」
「私、青い空を見てみたいな」
幼い頃からつい数日前のものまで
ずっと青空を見たいと思っている意志が詰まった記憶を思いっきりぶつけた
すると
「…私の負けね、こんなに強い意志を持った子を見るのは初めてですよ」
目の前の人物は少し寂しそうに微笑んだ
そして少女に手をかざし、少女には理解することのできない呪文を唱えた
「これで…戻れるの?」
「もちろん、約束ですからね」
少女の周りに白い光が溢れる
「もしできるのなら…ここに残って欲しいけれど」
目の前の人物が寂しそうに微笑んだ
少女は、少し考えたが首を振る
「それはできない、私もやりたいことがあるからね」
残念そうな顔をして答える
「まぁ…そうですよね」
白い光が強くなり、視界も悪くなってきた
「最後に、あなたの名前をもう一度聞かせてくれない?
…さっきよく聞こえなくて」
「名前ね、私は輪廻指導員のIgalltaと申します」
「そっか…またね、Igallta」
「はい、また会いましょう」
少女は目を瞑った
そして、次に目を覚ますと、海に戻ってきていた
「良かったぁ、気がついてよかったあああ」
ミズクラゲが号泣している
「…ごめんね、心配かけちゃって」
少女は泣いているミズクラゲをなだめるのにかなりの時間を使った
やっと落ち着いたミズクラゲはケロッとしていた
「ほら、あと少しで海面に出るから、がんばろう!」
上を見るとキラキラとした水面が見える
周りもかなり明るくなり、たくさんの魚たちが少女の意識が戻ったことを祝福するように泳いでいた
少女はもう少しここにいたい、と思いながらミズクラゲと海面を目指していった
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