第3話 リセスとお祭りとりんごの飴

 場所:祭りの街並み


「わぁ……これがお祭りですか……人がいっぱいで凄いです」


「屋台って言うんですよね。初めて見ました!」


「リンゴ飴……切ったリンゴに串を刺して飴をかけたお菓子……美味しそう!」


「あの、すみません。これ、二本ください!」


「食べ過ぎ、ですか? 違います! はい! ガイドさんの分です! 一緒に食べましょう」


「それでは、自然の恵みに感謝致しまして、今日もその全ての命にお祈りし、頂きます」


「頂き……頂き……」


「あの……その……」


「(ヒソヒソ声)これって、どうやって食べるんでしょうか? フォークもないのに」


「え!? このまま齧り付くんですか!? そんな……はしたない……」


 SE:りんご飴を齧る音


「そうやって、食べるんですか。凄い……一口で……」


「それでは改めて、頂きます……」


 SE:りんごを小さく齧る音


「うわぁ…甘くて美味し、あっあっ。……落ちちゃいました」


「そっかぁ……一口で食べない重さで串から落ちちゃうんだ……」


「次は注意して、と。あの……これ真ん中に刺さっているのはどうやって……」


 SE:口でりんごを串から抜いて齧る音


「丸ごと食べて串を引き抜いてる……そんな……破廉恥な……」


「い、いえ。食べます。食べさせて頂きます。お残しは良くないです」


「それでは、あーん」


 SE:りんごを齧る音


「おいひぃ……うふふ」


「あ、口に蜜が付いちゃいました……ふ、拭けますこれぐらい自分で」


 SE:口元を拭う音


「ん……あ、ありがとうございます……」


「えっと、残った串は、ここに入れればいいんですね。ご馳走様でした」


「それじゃあ次は……クラーケンのブツ切りに粉で覆った料理……面妖な……」


「た、食べ物ばかり夢中になってるって? だ、だって今まで食べたことない料理ばかりなんですもの!」


「ふふ……今日は全部食べつくすぐらい周りますよ」


「覚悟していてくださいね、ガイドさん」

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