第2話 リセスと四大魔法+1と旅の目的

 場所:草原(夕方)


「『リトル・フレア』」


 SE:木が燃える音


「どうです。ちゃんと火を点けられましたよ」


「さっきも魔物を倒せましたし、私は一・人・前に、ちゃんと魔法が使えるんですよ!」


 SE:拍手する音


「えへへ、もっと褒めてください」


「使える魔法の種類……ですか? そうですね……」


「火、水、風、土。四大魔法は使えます。ちゃんと勉強して、練習して、どれもちゃんと本職の人に褒められるぐらいには扱えます」


「あとはですね……あっ」


「あの、ガイドさん。手を怪我しているみたいですね。ちょっといいですか」


「『キュア・シャイン』」


 SE:光瞬く音


「怪我、治しました。どうですか? 実は私、光魔法も扱えるんですよ」


「……え? 光魔法が扱えるのは……王族の人しかいない……はず……?」


 SE:バッ(リセスが後ろを向く音)


「(小声)し、しまりました! 調子に乗って魔法を見せすぎました! ど、どうやって誤魔化せば…いっそのこと冗談だと……あ、光魔法を使っちゃったからダメだ。どうしよう…えっと…えっと」


「コホン(咳払い)」


「実はですね、ヒミツにしていたことがあるんですよ」


「私、実は、超天才の魔法使いなんです!!」


(数秒無音)


「そう、超天才なので四大魔法も完璧に使えます! そして光魔法も使えるのです! 天才ですから! だから王族とか関係無しにリセスは超・凄い・魔法使いなんです!!」


「…………」


「ちょっと! 何笑ってるんですか!! ほ、本当ですよ!! ただの超天才なだけです!!」


「そ、そ、そんなことより! ご飯の準備お願いします! 私! お腹がペコペコなんです!」


「(小声)誤魔化せましたかね」


「はい、ありがとうございます。それでは」


「自然の恵みに感謝致しまして、今日もその全ての命にお祈りし、頂きます」


「もぐ……もぐ……」


「美味しい晩御飯も食べれますし、今日一日ありがとうございました。どうかこれからも、よろしくお願いします」


「え? 旅の、目的ですか?」


「そういえばお話していませんでしたね」


「実はですね、コスヒ海岸で見たいものがあるんです」


「何かって? それは……その、秘密です」


「見たらきっと、驚くと思いますから。それまで内緒です」


「……え? コスヒ海岸には名所も名物も、何もない?」


「何を言うんですか! ありますよ! ちゃんと! 知っているんですから!」


「そんなこと言っても知りません! 旅はやめませんから!」


「報酬は前払いしましたからね。途中で辞めたいと言ってもダメですよ」


「え? もし、途中でガイドさんが逃げたら、って?」


「大丈夫です。そんな時は……」


「どこまでも追いかけて、ガイドさんを、夕方の魔物のなるだけですよ……ヒヒヒ」


「じょ、冗談ですよ! 冗談! んもう!」


「最後まで、ちゃーんと、お願いしますよ。ガイドさん」

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