蛇足 魔物図鑑 ①
【地竜】
・生態
森に広く生息している二足歩行の蜥蜴型の魔物。
体長は1メートル前後。
単独行動をとることは稀で、主に集団で狩りを行う。
知能は高く、自分たちで狩れる対象を確実に仕留めるように動く。
群れを率いる長の経験によって、時には格上の魔物すら屠ることもある。
・味
むっくん『ちょっと筋が多いけど、それはそれとして歯ごたえがあってヨシ!脂ののった鶏肉みたいな味がするけど、奥の方に動物園が隠れてる!!』
アカ『おいし!おいし!』
【黒蛇】
・生態
この世界ではごくありふれた蛇の魔物。
世界各地に近縁種が存在してる。
毒もなく、特に脅威となる魔法なども使用しない。
駆け出しの冒険者が狩る対象となる。
皮が比較的丈夫で、日用品に加工される。
・味
むっくん『不味い、ただひたすら不味い。硬くて生臭くてパサパサしてる!死体じゃなくって、生きてるのを仕留めて食べたけど不味かった!』
アカ『おいし!おいし!』
【毒走り茸】
・生態
30~60センチ程度の巨大な茸に、屈強な両足が生えた状態の魔物。
その名の通り、走って移動する。
速度は子供の全力疾走程度。
麻痺毒を主とした胞子を撒き、敵を弱らせて走って逃げる……という行動をする。
実は草食性。
死ぬと全身が無毒になり、食べることが可能になる。
筆舌に尽くしがたいほど不味い魔物だが、一部地域では穀物と一緒に発酵させることで貴重な保存食となっている。
・味
むっくん『罰ゲーム!存在自体が罪!!不味いって文字の化身みたいな魔物!!もう二度と食べたくない!!煮ても焼いても生でも不味い!ある意味あっぱれだよ!!ちきしょう!!』
アカ『おいし!おいし!』
【森スライム】
・生態
緑色の不定形な魔物。
個体によって大きさが異なる。
森においては、樹上で枝葉等に擬態して獲物を待つ。
地球のヤマビルのように、生物の吐く息を感知して音もなく落下して包み込み、溶解液で消化して吸収する。
その体には『核』と呼ばれる丸い器官があり、これを砕かれると即座に死亡する。
死亡した後の体は、火傷用の軟膏・保湿用の化粧品等、各種薬品の材料となる。
そのため、冒険者が回収することも多い。
不定形な体のため、魔法での処理が推奨されている。
・味
むっくん『食感が鼻水、味はヘドロ!鼻水食べたことないけどきっとそう!こんなんばっかりだよあの森は!』
アカ『たべたことない、おいし?』
むっくん『おいしくない!リンゴの方が五億倍くらい美味し……比べること自体が失礼だよ!!』
【節鳴虫】
・生態
緑色の巨大なミミズ。
体長は2メートルに達することもあるが、他の魔物に摂食されるためにそこまで育つことは稀。
身体の各所に竹のような節があり、それを鳴らすことで乾いた音を立てて獲物をおびき寄せる。
普段の動作は緩慢だが、戦闘時や逃走時には節を高速で収縮させることで素早く移動する。
皮を裂いて内容物を出し、乾燥させることで丈夫な紐となる。
一部の地域では乾燥させたものを加工し、保存食として使用している。
・味
むっくん『焼いてない生の!生臭いウインナー!』
アカ『やいてたべよ、やいて!』
むっくん『ゆるして』
【角蛇】
・生態
緑色をした、額に小さな角の生えた蛇の魔物。
黒蛇と同程度の脅威だが、角の分だけ危険度が少し上。
生きている時はそれなりに鋭い角だが、死ぬと硬度が失われるため素材にはならない。
皮は黒蛇と同じく、日用品に加工されることもある。
※大角蛇とは別種の魔物である。
・味
むっくん『黒蛇と同じくらい不味い!蛇って意外と美味しいって概念は知ってるのに!地球の常識が通用しない!!』
アカ『おいし!おいし!』
【牙ネズミ】
・生態
地球のモルモット程の大きさの鼠。
その名が示す通り、体のサイズに見合わない長い牙を持つ。
常に外部へ牙が露出している関係上、その牙には各種の雑菌が付着しておりたいへん危険。
加えて、牙ネズミ自体も揮発性の毒を牙から出すことができる。
噛まれた傷を放置すれば、高熱を発して苦しみ抜いて死に至るという。
その際には、患部を切り開いて放血の後ポーションを使用するか……熱した鉄で焼くことが推奨されている。
また、群れをなす性質があるのでより危険。
駆け出し冒険者が死亡する原因の一つである。
・味
むっくん『お肉はちゃんと処理すれば美味しいんだろうなって感じだけど、尻尾!尻尾がもうありえないくらい臭くておいしくない!!体中の不味さが尻尾に凝縮されてるの!?』
アカ『しっぽ!しっぽしゅき!こりこり、おいし!』
【ムシクイドリ】
・生態
地球の大鷲によく似た形状の鳥の魔物。
嗜好として主に虫類を摂食する。
弱そうなその名前に反し、初歩的な魔法を使いこなして戦う。
名前だけで判断した駆け出し冒険者がよく犠牲になる。
嗜好が虫食なだけであり、肉食性の獰猛な魔物である。
素材となるものは羽毛だけであり、強さの割りに合わない魔物の一つ。
※オオムシクイドリとは別種の魔物。
・味
むっくん『あんなに苦労したのに臭くて全然美味しくない!やったことないけどたぶんから揚げにしても食べられないと思う!!万物は油で揚げれば美味しく食べれるんじゃないんですか!!』
アカ『おいし!おいし!』
【森狼】
・生態
森の中においてはポピュラーな魔物。
外見は小汚いイエイヌに酷似している。
狼の名が示すように、群れを形成して集団で狩りをする。
群れを統率する長はおらず、ごく弱い念話のようなものを駆使して連携行動を取っている。
・味
むっくん『皮から動物園の臭いがする!肉の奥にも隠れてる!!つまるところとても美味しくない!!』
アカ『おいし!おいし!』
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