第13話 イリアの失敗

 「…お母さん、…お姉ちゃん」zzz

 「マヤちゃんまた寝ちゃったね〜」

 「ね?幸せそうな寝顔…」ナデナデ

 「イリア、今日は泊まってく?」

 「いいの?」

 「ええ。マヤちゃんも喜ぶだろうし…」

 「ありがと。そうさせて貰おうかな?」

 「じゃあ…マヤちゃんと一緒に寝る?」

 「え?メリッサが一緒に寝たいんじゃ?」

 「私は昨日、一緒に寝たから…今日はイリアに譲ってあげるわ。マヤちゃんをよろしくね?」

 「任せて。さぁお姉ちゃんとお部屋行こうね」

 「ふふっ。もうすっかりお姉ちゃんね」


 メリッサとイリアに挟まれ、楽しい時間を過ごしていたマヤだが、そこはまだ小さな体…もっと2人と一緒に起きていたかったが、マヤの体は睡眠を欲していた。

 イリアに抱えられて、マヤが寝ていたベッドでイリアと一緒に寝る事になった。


 ◆


 翌日、マヤは息苦しさに目を覚ます。

 目を覚ましたマヤの顔は、何かぷにぷにと柔らかい物に包まれており…体が固定でもされているのか、もがいても緩む事は無く…。


 「…え?何っ?…ちょっ!苦しい」

 「…う〜ん」

 「この声…お姉ちゃん?お姉ちゃん起きて!」


 イリアに抱きつかれて寝たんだとわかったマヤだが、イリアにギュッと抱きしめられており…ジタバタと動くがどうしても抜け出せなかった…。


 「お姉ちゃん起きて!」

 「…ん〜?あっマヤちゃんだぁ…。お姉ちゃんと寝ようね〜」ギュー

 「寝ぼけてる…。仕方ない…」


 起きた?と思ったマヤだが、イリアは寝ぼけており…ギュッと抱きしめられていたマヤの体はさらに固定されてしまう事になってしまった…。

 マヤは…仕方ないと、最後の手段を取ろうとする。


 「すぅ…お母さ〜ん!助けて〜!」

 「え!何っ?大丈夫?マヤちゃん!」バン ガチャ

 「お母さん助けて?苦しいの…お姉ちゃん起こして?」

 「ええ、わかったわ。イリア?イリア?起きなさい!」ユサユサ

 「…う〜ん。マヤちゃん…」ギュー

 「お…お姉ちゃん」トントン

 「イリア!さっさと起きなさい!ウォーター」バシャ

 「…うひゃ!…な、何するのよ?メリッサ」

 「何するじゃないでしょ!あなたマヤちゃん殺す気?ほら、周り見なさい!」

 「…え?」

 「…お姉ちゃん、お胸苦しい…」

 「わわっ!マヤちゃんごめ…」

 「ふぅ…。ありがと。お母さん」

 「ううん。ごめんね?マヤちゃんが喜ぶと思って一緒に寝てもらったんだけど…まさか寝起きも悪いとは思わなくて」

 「ごめんね?マヤちゃん…」

 「うん。もう大丈夫だよ」

 「もう大丈夫ね?2人とも降りておいで?朝ご飯にしましょ?」

 「はぁい」


 メリッサの水魔法ウォーターを頭にかぶり、完全に目を覚ましたイリア。メリッサに言われ、自分がマヤにしていた事に気付いたイリアは、何だか気まずそうにしていた…。

 シュンと気を落とし、気まずそうにしていたイリアを見たマヤは、イリアの手を取り…仲良く朝ご飯が出来ている一階へと降りて行った。


 「お姉ちゃん行こ?」ギュ

 「…マヤちゃん」


 ダイニングに3人が揃い、朝ご飯を食べ始めるが…まだイリアは気まずそうにしていた。


 「…お母さん?お姉ちゃんが…」

 「ええ。イリア?まだ気にしてるの?」

 「だって…私のせいでマヤちゃんが危なかったなんて…」

 「じゃあ…お詫びに何かしてあげたら?」

 「え?…何がいいんだろ?」

 「あなたの得意なアレで十分、マヤちゃんはきっと大喜びするわよ」

 「そうなんだ?…マヤちゃん?ご飯食べたらお庭行こうか?」

 「…うん。なんだろ?」

 「マヤちゃん。イリアの得意な事はね…魔法でお空を飛ぶ事なんだよ?」

 「え!お空?飛べるの?すご〜い!」

 「うん。ご飯食べたらお空に連れて行ってもらおうね?ついでに教えて貰うといいよ?」

 「はぁい!」

 「うん。じゃあ、ちゃんと朝ご飯食べようね?ちゃんと食べないと魔法使う力出せないよ?」

 「はぁい!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次の更新予定

2024年9月20日 12:30

転生したら魔女の娘になりました らいとっと @lightto

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画