第12話 楽しい時間

 イリアにギュッと抱きついてあげていると、キッチンの方からメリッサがやってきた。


 「マヤちゃん?起きたの?…あら?」

 「…あっ、あはは…」

 「イリア?うちの娘に何させてるのかな〜?」

 「待って!お母さん。…私がしてあげたの」

 「え?そうなの?」

 「実はそうなんだよ…。メリッサが私に自慢してくるって言ったら、メリッサだけじゃ私が可哀想だからって…」

 「…そう。イリアごめんなさいね?嬉しすぎてどうしても誰かに聞いてほしくて…」

 「マヤちゃんと少し話してみて、その気持ちわかったから…もういいよ」

 「ありがと。…マヤちゃんもありがとね?ほんと良い子ね」ナデナデ

 「目が覚めた時、お姉ちゃんが覗き込んでたのはビックリしたけどね」

 「へ…へぇ~。お姉ちゃんね…」

 「話しの流れで…」

 「後でイリアとはお話が必要みたいね」

 「ふふふっ。お母さんたち仲良しだね」


 メリッサはてっきりイリアがマヤに何かしたと思っていたが、すぐに誤解は解け…3人はダイニングに向かう事になった。


 ダイニングにやってきた3人は、メリッサが作った夜ご飯を囲み…3人で仲良くお喋りしながら夜ご飯を始めた。


 「さぁ、夜ご飯にしましょ?」

 「はぁい」

 「お?今日はパンとスープとサラダにお肉か…豪勢だね〜」

 「マヤちゃんが私の娘になった日なんだから、お祝いしないと!」

 「そうだね!」

 「あ、ありがとう。お母さん、お姉ちゃん」

 「さぁさぁ…飲み物はお酒はまだダメね。果実ジュースでいい?」

 「うん!」

 「揃ったね?カンパーイ!」

 「カンパーイ!」x2

 「あっそうだ!忘れないうちに…」

 「ん?どうしたの?イリア」

 「いや、これがいるんじゃないかな?ってね」

 「お姉ちゃん?それは…?」

 「はい。子供用の三角帽子とローブだよ?」

 「え?わざわざ…これを用意するために夕方に来る事にしたの?」

 「う、うん。おめでとメリッサ、マヤちゃん」

 「わぁ!ありがとう。お姉ちゃん」

 「ありがとう。イリア」

 「大きさが違うだけで効果は同じだから、後はメリッサから聞いてね?」

 「うん!」


 メリッサが用意した夜ご飯は普段より少し豪華な物だったらしく、マヤのために頑張ってメリッサが作ってくれた物だった。

 イリアもこうなる事を予想していたのか、突然プレゼントを取り出しサプライズは無事に成功しメリッサとマヤを喜ばせる事が出来たのだった。


 3人は夜ご飯を食べ終わり、リビングのソファに3人並んで座りのんびりとした時間を過ごし始める。


 「マヤちゃんおいで〜?」

 「はぁい」

 「じゃ…私はこっちに座ろうっと」

 「お母さんとお姉ちゃんに挟まれちゃった…」

 「ね?…子供いいなぁ。私も子供欲しいよ」

 「あら?イリアが子供託されても、家事出来ないでしょ?」

 「…うっ。いや…出来るよ?子供のために出来るようになるんだから…たぶん」

 「たぶんって…」

 「お姉ちゃん家事出来ないの?」

 「そうよ〜。イリアはがさつだからね〜」

 「ムムム。…当たってるだけに言い返せない」

 「…お姉ちゃん。頑張って出来るようになろうよ?」

 「そ、そうだね。そのうち…」

 「ふふっ。頑張ってね?イリア」

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