第9話 神様からの贈り物

 マヤも書庫に入っていいと許可が出たので、メリッサと一緒に書庫に入るマヤ。その部屋は書庫と呼ばれる部屋だけあって、扉から入ると壁三面が本棚でビッシリと埋まっていた。残り一面には窓とここで読めるように小さな机と椅子があり、太陽の光が窓から書庫の部屋に入ってきていた。


 「さぁどうぞ?」

 「わぁ〜!本でいっぱい!これ全部、魔法の本なの?」

 「全部じゃないよ。魔法関係はこっちとこっちの二面で、ここは世界の事や生活に関係する本になるよ」

 「へぇ~」

 「えっと…この世界がわかるような本と…」

 「すご〜。本いっぱい」

 「マヤちゃんの体は神様が用意してくれたのよね?」

 「うん。大きな光の玉しか見てないけど、天界って言ってたから…関係者だと思うよ」

 「そっかぁ。じゃあ…少しマヤちゃんの体も調べてみようね?魔法が使えるかどうか調べてあげるね?」

 「ほんと?やった〜!」

 「こんなもんかな?ここは狭いからリビングに戻るよ?」

 「はぁい」


 今必要と思われる本を取り出したメリッサは、マヤと一緒に書庫を出てリビングのソファに座り直す。


 「よいしょ。お母さんの隣においで?」

 「うん!」

 「マヤちゃんは文字読めるのかな?」

 「どうだろ…」

 「この本見てみようか?」

 「うん。…この世界にはたくさんの生き物がいる?」

 「読めたね。神様が読み書き出来るようにしてくれたのね」

 「かな?」

 「じゃあ…こっちの本見てくれる?今からここに書いてある鑑定って言う魔法をマヤちゃんに掛けてみるからね?」

 「鑑定?」

 「うん。この魔法は人や物に使える魔法でね?使うと…その人や物がどんな人、物なのかを文字や数字で教えてくれる魔法だよ」

 「へぇ~」

 「いいかな?使うよ?」

 「うん」

 「鑑定!」ポワッ


 書庫から戻って来たメリッサとマヤは、2人並んでソファに座り…まずはマヤが読み書き出来るのか?から調べ始めた。

 無事、文字が読めるとわかった2人だが、読めるのだから書けるだろうと…メリッサは次にマヤ自身に認定魔法をかけてみる事にした。

 鑑定魔法をかけてみて…その内容にビックリしたのは…メリッサだった!


 「え?これって…」

 「どうしたの?…私、魔法使えない?」

 「ううん。大丈夫、ちゃんと魔力あるから使えるよ〜」

 「よかったぁ」

 「ねぇマヤちゃん?」

 「なぁに?お母さん」

 「この鑑定魔法を使うとね?体力や魔力、スキルや称号何かが表示されるんだけどね?」

 「スキル?称号?」

 「えっと…体力はわかるね?魔力は魔法を使うための力ね。スキルは魔法とは違う持ってる人だけが使える特別な力の事で、称号ってのは何か特別な行動をした人のみに神様が与える力?力では無いんだろうけど…目印みたいな?」

 「へぇ~」

 「マヤちゃん…前の世界でどれだけ苦労して死んだのよ?スキルに神眼って付いてるよ?」

 「え?神眼?」

 「うん。神様の眼と書いて神眼ね?これはあなたが見た相手の悪意を見抜いてしまうという…その名の通り、神様の力の一部だよ」

 「悪意を見抜く…」

 「うん。他にも効果があったと思うけど…。前の世界では信じてた人に騙され続けてきたんでしょ?」

 「…うん」

 「きっともうマヤちゃんが悪い人に騙されないように、神様が力をくれたんじゃないかな?」

 「…そっか。そういえば…ずっと私の事見てたって言ってたような…」

 「うんうん。これも使えるようになろうね?」

 「うん!」

 「称号には特に気になる事は無いかな?転生者…騙され裏切られた少女…か」

 「…」シュン

 「大丈夫。お母さんがマヤちゃん守ってあげるからね」

 「うん!」

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