10.スーパーかっちょいい天使

石ナイフをはなし、後ろへ悪魔が下がる。


貴様、恐ろしく強いな。シタクウカンでもほとんど天下取れちゃうぜ?


悪魔が言う。


おしゃべりな悪魔だな。誰がこの攻撃を喰らうんだい?


ジャルンピークが挑発する。


俺に褒められて自惚れてやがるから教えてやる。お前は強いが俺ほどではない。しかし認めてやるから俺の名を教えてやろう。俺はチャル知能を有したスーパーかっちょいい悪魔さ。


チャルが得意げに言う。


そうか。分かったよし。俺はお前に対して能力を使わずに葬り去ってやる。歯食いしばれ


興味がなさそうな顔を浮かべながらジャルンピークが石ナイフを捨てて構える。

すると石ナイフがすごいスピードで戻ってくる。それをかわす。石ナイフは捨てたところへ戻っていく。


よくかわしたねえ。大したものよ。褒めて遣わす。


またもやチャルが得意げに言う。


物の時を少しだけ戻す能力。くだらない能力だな。


ジャルンピークが呆れる。


多少違うがまあそんなところだ。僕の能力はくだらない。だがそれは使い方次第!


そう言うと大量の石ナイフをジャルンピークに投げる。


ひいいい


オルタナがまた頭を下げる。

一つ一つ人差し指と中指だけで払ったあと、オルタナを抱えてジャンプする。すると石ナイフが払ったとこまで戻っていく。


オルタナさん。本当の能力はなんだい?どんなにしょうもない能力でもいい。それを知っていた方が僕は戦いやすいんだ。


ジャルンピークが言う。


本当にないんです!能力。生まれた時からずっと色々試してみたのですが、本当に何も…


オルタナが情けない声で言う。


そうか。分かったじゃあもし、あの悪魔が来たら右フックでもかましてやれい。


笑いながらジャルンピークが言う。

地面に着地し、オルタナを下ろす。


まだ石ナイフはたくさんあるんだぞ!


チャルがいう。


そうか。すごいすごい


そう言うとジャルンピークはクラウチングスタートの姿勢に入る。チャルが不思議そうに見る。その瞬間すごいスピードでジャルンピークが近づき、右ストレートで殴る。


あがっ


チャルの鼻から血が吹き出る。石ナイフで切ろうとするがその後もボコボコと石ナイフをかわしながらチャラを殴りつける。


(一回石ナイフは戻ってくるんだぞ。それをかわすのは至難の業で中々できないのに、こやつ反射神経だけで全てかわしている)


チャルは驚きボロボロの体をなんとか動かして少し下がる。


参った!お前めちゃ強いな。認める。今後一切天使を傷つけることはしないから。命、命だけは助けてくれーー!


チャルが叫ぶ。


さっきまであんなに大口叩いてたくせに命乞いか?呆れてものが言えないな。


ジャルンピークが言う。


武器も全部捨てる。ほら!ぽーーい


チャルは石ナイフを床に全て落とした。


どうか確認しておくれ!


チャラが言う。しかし、これはチャルの作戦であった。ジャルンピークの目を石ナイフに向けることにより、足のかかとで後ろに軽く蹴った生物を殺すには十分すぎる爆弾にジャルンピークは気づいていなかった。


本当に潔い間抜けだな。まあ殺すけど。


ジャルンピークがやれやれ顔で言う。


(よし。あとはタイミング良く爆弾をかわすだけだ)


チャルはウキウキしていた。


い、命だけはー!


そう言いながらチャルは右に走り出す。そして戻ってきた爆弾がジャルンピークの真ん前で大爆発する。


ジャルンピークさん!!


オルタナが叫ぶ。


はっはっはー!間抜けなアホはお前の方じゃい!


チャルが大笑いする。


よし後はここの弱弱しい天使を殺すだけだな。


チャルがオルタナに近づこうとした瞬間とてつもないパンチが飛んでくる。


誰がこんなしょーもない爆弾で死ぬか


服が全て破けた全裸のジャルンピークが出てくる。天使には生殖器官はない。からセーフなのか?

チャルは痛みで悶絶した。


(爆弾で死なない?泥帝様かよ?まずい確実に死ぬ!)


チャルは焦っていた。


諦めろ。お前が助かる道はない。


ジャルンピークが怖い声で言う。

チャルは覚悟を決めた。


どうせ死ぬなら一回だけでも聖臓をいただいて死んでやるぜ!!


チャルがオルタナを迫る。


まずい!間に合わない!


ジャルンピークが叫ぶ。

オルタナは慌てふためいた。


い、い、いやあーーー!!!!!!


その声と共にチャルを殴る。するとチャルの頭は飛んでいき、即死した。それを見たオルタナがまた叫ぶ。


こんな時に能力が、能力が発現したのか!!


オルタナは手を閉じたり開いたりしながら満面の笑みを浮かべる。


盛り上がっているところすまんが俺の能力だ。


ジャルンピークが答える。


へ?


オルタナがきょとんとする。


俺の能力は相手にエネルギーを送ることができる。つまり味方に特大のバフを与えれるってわけさ。相手に大量に与えて破裂させることもできるがこの使い方は兄者の方が使い勝手が良い。まあそんな所さ。ちゃんと間抜け悪魔に対しては能力使ってなかっただろー


ジャルンピークが笑う。

それを聞いて恥ずかしそうにオルタナがもじもじし出す。


まさかこんな所まで悪魔が来るとは。おいオルタナ。ピリオド様に伝えてこい。


分かりました!


オルタナがピリオドの方へ向かう。


ジャルンピークは色の仲間たちを心配するのと共に、大丈夫と信用しようと努めた。


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