第43話 オーブに授かる新しいスキル
それはオレンジ色の珠だった。これってもしかして…
私は【空の冠】に、その珠をはめ込んでみる。
ぴったりだ!
赤「なんでオーブがこんなところに?」
黄「ねえ、お猿さん!これをどこで見つけたのですか?」
お猿は目を青白く光らせながら、首を傾げた。そのしぐさから、たぶんこれをオーブと知らなかったのだろう。たまたま見つけたボールを遊び道具として持っていたということだろうか。
キキッ キキッ
おさるがニッコリと笑う。たぶんそういうことなのだろう。なんという偶然だろうか。
黒「さあ、さくら。王冠をかぶってみてくれ。」
緑「せやな。まずはリーダにかぶってもらわんとな。」
私は、オレンジ色のオーブがはめ込まれ、少しずつ様になってきたそれを頭に乗せた。王冠が金色の光を発する。その光は私を包み込んでいった。
黄「どんなスキルが身につきましたか??」
黒「ものすごい雷魔法とかがいいな。」
緑「どや?さくら。どれだけ戦力アップしそうや?」
みんなの期待に私はすこしドギマギした。
み、みんなをガッカリさせるかもしれない。
赤「あの…がっかりしないでね。
新しいスキルは【クリーン】だったよ。
いろんなものを奇麗にできるみたい。」
緑「えーーー!?
マジか?めっちゃええやん!1回自分に使ってみ?」
葵に促されて、私はクリーンを唱えた。
すごい!身体がお風呂に入ったみたいにスッキリした。服は洗濯したてより綺麗になったみたいだ。私は自慢の黒髪を撫でてみた。スルリと指が髪を通りぬけ、まるで風にそよぐようにさらさらと揺れた。
黒「おぉ!一瞬で若返ったように綺麗になったぞ!
攻撃魔法なんかよりずっといいじゃないか!」
黄「ホント、これは素敵すぎる魔法ですね。
私たちにも使わせてください。」
順番に冠をかぶっていった。無事、全員に新しいスキルが身に着いた。【クリーン】を唱えては綺麗になった自分に感動している。
緑「これがあったらもうお風呂に入らんでええやん!」
黄「洗濯も歯磨きもいらないですね。」
黄「ダンジョンでこのスキルが使えるのは夢みたいだな。
それでも家では絶対にお風呂に入りたいけどな。」
<おぉ>
<綺麗になっていく>
<画面越しでも十分にわかるよ>
<ここまでいい匂いがする>
<なんでだよ!w>
<1週間風呂に入ってない俺にこそ必要>
私たちはひとしきり感動し合った。さて、イベントはまだ終わっていない。私たちはこの階に来た時から、近くの大岩に大きな穴があいていることに気づいていたんだ。アンデッド化したボスを19階で倒したから、報酬を受け取る権利が生まれたのだろう。
ダンジョン攻略も3回目となれば慣れたものだ。
宝箱を目指して、私たちは穴に入っていく。少し入り組んだ洞窟をたどると、行き止まりに小部屋があった。そして、その中には銅の宝箱。
<さあ、今回の報酬はなに?>
<ワクワク>
<この瞬間好き>
<お宝と言えばリリィズの抱き枕とか?>
<何でだよ!w>
<早く開けてみて!>
私は宝箱を開けた。中には金貨が100枚入った革袋。それに奇麗な宝石が入っている。これは教科書に載っているくらい有名なアイテム、【精霊の涙】だ。持ってるだけでマジックポイントの回復を早めてくれる便利な道具なんだよね。
赤「今回も報酬ゲット!やったね♪」
私たちは階段まで戻り、地上にワープした。
☆☆☆
仕事が随分忙しくなってきて、しばらく執筆していません。
今は書き溜めているものがありますが、ストックがなくなれば
しばらくお休みをいただくことになると思います。
そうならないようにできるだけがんばりますが。
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