第34話 爽やか系イケメン現る

「女の子たちがアイスベアに襲われている!」

「飛び込むぞ!」


 アイスベアに囲まれる形になった私たちの目の前に、4人組の男性が表れた。大学生くらいかな。すごくスタイリッシュで、大人な雰囲気を感じる人たちだ。



「これ、いったいどんな状況?」


「私たちもわからないんです。

 急に囲まれちゃって。」


「こいつら、アイスベアだよね?

 なんで目が青いの?」


「アンデットらしいです。」



<イケメンあらわる>

<なんか胸騒ぎ>

<いけ好かない>



「アンデットの割にはめちゃくちゃ綺麗だよね。」


「ほんと、生きてるみたい。」


「そんなん、うちらに言われてもわからへん。

 それよりお兄さんたち強いの?」


「あはは。

 僕らのレベルは120くらいかな。」


「ま、マジですか??

 めっちゃ格上ですやん。」


「ん。ここは格上のお兄さんたちに任せといて。」


「んで、あれは?一緒に焼いちゃっていい?」


 指さすほうを見ると、ガルス兄弟がさっきの個体を倒したところだった。


「誰かはわからないんですけど、さすがに焼くのはちょっと…。」


 私は慌てて答えた。


「冗談、冗談。

 じゃ、ちょっと下がっといてくれる?」


「優斗、行くぞ!」


 って、2人が前に出て、残り2人は私たちを守るように位置どってくれた。私たちもアイスベアから守られるほど弱くはないつもりだけど、スマートに女の子扱いされるとフワッとなる。


「インフェルノ!!」

「フレイムバースト!」


 2人は大きな炎を操るそれぞれの魔法を繰り出した。なるほど。アンデッドにこれは効果覿面だ。



ギャゥアアアアアアア!!



 と声をあげながら、炎に包まれ丸焦げになっていく。その様子を見たガルス兄弟も慌ててこっちへ戻ってきた。


「な、なんなんだこいつらは?」


「わからへんけど、助けに来てくれたお兄さんたち。」


「それはいいが、俺たちまで丸焦げになっちまうところだったじゃねえか。」


「あんたらの実力やったら大丈夫やろ?

 まあ、万が一燃えても支障はないし。」


「ひ、ひでえな。俺たちだって助けに来てやったお兄さんだぜ?」


「あんたらは怪しすぎるんや!」


 葵と兄弟がやり合っている間にも、アイスベアは順調に数を減らしていく。もうほんの一息で殲滅できそうだ。



<強いな>

<悔しいが>

<だけど危機を脱出できてよかった>


<危機はこれからかもしれねーぞ>

<今度は白熊を倒した狼さんだな>

<こっちのほうが強敵の予感…>



「藤堂!優斗!俺たちも手伝おうか?」


「大丈夫、俺たちだけでやれる。

 もう少しだけ、その子たちを守ってあげてくれ。」


 そういうと、前に出ている2人は炎の出力を上げた。程なく、アイスベアは全滅した。


「あぁ。いい汗かいた。

 みんな大丈夫だった?」


「はい!ありがとうございました。」


「いえいえ。俺は藤堂。

 このパーティのリーダーやってます。」


「ボクは優斗。

 ボクたちは大学のサークルメンバーでパーティを組んでるよ。

 僕だけ年下。」


「僕は桐谷です。」


「私は如月だ。」


 いちいち爽やかでかっこいい。私たちも自己紹介した。



<くそ!爽やか>

<ムカつく>

<用が済んだら去れ!>



「おい!急に現れてお前らは何なんだ?」


 ファングがお兄さんたちに絡みにいく。あんたたちだって正体不明でしょうが。むしろ、お兄さんたちのほうがずっと信用できるわよ。



…あれ?



 その時、ファングの革パンのお尻ポケットから何かが落ちた。写真??私が拾ってあげる。







「え~!なにこれ~??」






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